数年前から猫用全自動トイレが発売されています。「全自動」って聞くとなんだかハイテクで近未来的なイメージですね。新製品やリニューアル版などが発売されて来ているので「使ってみたい!でも使い勝手はどうなんだろうか?」など、疑問を抱いている人が多いようです。なにをかくそう、私もその一人です。
猫用全自動トイレはどんな特徴や種類があるのか、飼育環境に合うかどうか検討する要素を集めてみました。併せておすすめの製品をご紹介したいと思います。
猫用全自動トイレって何?どんな仕組みなの?
ひと言で全自動トイレといっても、どこの部分が全自動なのか、わからないこともあるでしょう。まずはどういったものなのかという説明から入りたいと思います。
わかりやすく言うとこういうことになります。使用から除去の流れはメーカーや製品によって違いはありますが、基本的には以下のような仕組みです。
- 猫がトイレに入ると、内蔵されたセンサーが動きを感知、掃除の準備に入ります。
- 一定の時間が経つと、固まった猫砂や便だけを下部分にある収納ボックスに落とします。
- あとは飼い主が収納ボックスに移動した排泄物を定期的に捨てるだけです。
「一定の時間」はだいたい3~7分となっています。その時間を自分で設定できるか固定なのかは製品によって変わります。中には「20分に1回のみ」しかないものもあります。
収納ボックスに収められる量も製品次第。猫一匹だったら2週間に1回捨てれば大丈夫というものから、週に2回捨てる必要があるタイプもあります。
従来の猫用トイレは、排便をしたらその都度取り除かないといけません。ですので基本毎日1回は掃除が必要です。そうしないとニオイが部屋中に広がることになりますし、場合によってはトイレを使わないで他のところに粗相をすることだってあります。
そんな、手間だけどやらないわけにいかないトイレ掃除を飼い主の代わりにやってくれるんですから、どれだけラクになることがお分かりいただけるでしょう。でも全自動トイレにもメリットだけでなくデメリットもあります。そのあたりを比較してみましょう。
猫用全自動トイレのメリット
掃除をしてくれるというだけで、かなりラクに思えますよね。でも、それだけではないようです。メリットをまとめると以下の通りです。
- 掃除がラクで便利(回数が減る)
- 飼い主が不在でもトイレ掃除ができる
- ニオイが少なくなる
掃除がラクで便利
1番大きなメリットは、「掃除の回数が減る」ことでしょう。トイレの掃除は、毎日数回はやらなくてはなりません。ニオイがひどい場合や体調不良時の便の場合は、トイレの度に掃除をしなくてはならないことがあります。
全自動トイレがあれば、飼い主の負担が確実に減ります。収納ボックスを取り出して、そしてそこに溜まっている排泄物をまとめて捨てるだけ。製品によっては収納ボックスにビニール袋をセットできますので、袋を取り出してしっかりと閉じるだけで、そのまま家庭のゴミにまとめられます。
飼い主が不在でもトイレ掃除ができる
そして「飼い主が不在の時でも掃除ができる」というのもかなりポイントが高いです。常に家に誰か飼い主家族がいればいいのですが、仕事なり学校に行って全員不在になる時間がある家庭は多いはず。その不在のタイミングでも掃除をしてくれるので、猫はいつでも清潔なトイレを使うことができます。
一人暮らしの人が急にその日に帰れなくなった場合でも大丈夫です(トイレ以外にエサや水の問題がありますが)。それに夜中に用を足しても掃除してくれるので、夜に「トイレをきれいにして」と鳴かれることもありません。
ニオイが少なくなる
さらに全自動トイレは、消臭の面でもしっかりしています。猫がトイレを出てから一定の時間が経つと便を処分してくれますので、「飼い主が気付かないで、そのままうんちが残っていた」ということがありません。ニオイのもとになる排泄物を収納ボックスに隔離します。使用する猫砂をニオイ対策に優れているものにするのもおすすめです。
またメリットとは少し違いますが、使用するのにあたって不安になる面もちゃんと対応しているものがほとんどです。不安な面とは「掃除」と「動作音」のことです。
トイレ自体を分解して掃除することができるので、清潔さをしっかりと維持することもできます。またモーターなどの動作音も静かです。さすがに初めて見た時はビックリするかもしれませんが、慣れてきた猫だとトイレのすぐ隣でお昼寝する子もいるんだとか。
猫用全自動トイレのデメリット
しかしながら、どんなものにも良くない面は存在します。デメリットをざっとまとめると以下の通りです。
- 高額(7~10万円が相場のようです)
- とにかく大きい(重さも10キロを超えるものが多いです)
- 使える猫砂に制限がある
特にデメリットに感じるのは、「高額であること」と「猫砂が限定されてしまうこと」ではないでしょうか。大きいために置き場に困るなんてことになった人もいるようです。その辺はしっかり確認が必要です。
価格が高い
金額がかなりするため、試しに使ってみるということができません。数千円で購入できるトイレだったら、もし猫が気に入ってくれなくてもまだ諦めがつきますが、数万円となるとそうもいかないですよね。
それに電動ですから、初期不良・扱い方・使用期間によってはいずれ故障するかもしれないという不安も出てきます。ですので購入する際には保証期間やメンテナンスにかかる費用も確認しましょう。仮に10万円出費して買ったものが1ヶ月で壊れたなんてことになったら目も当てられませんからね。
ただ、数年前に比べて価格が下がってきているように感じます。予算に合う物が出ているかもしれません。品質によるとは思いますが、中には1万円代で購入できるものも出ているようです。
サイズが大きい
大きさもデメリットにあげられます。スペースに余裕がある一軒家などでしたら問題ないかもしれませんが、一人暮らしマンションの狭い部屋となると結構なスペースをとることになります。
大きい分重くもなりますので、場所を移動する時はちょっと大変かもしれません。それもあって改良型が出るなど、大きくても軽めなものが販売されるようになりました。
使える猫砂に制限がある
私が一番デメリットではないかと感じているのが、猫砂が限定されることです。全自動トイレは一部例外もあるにはありますが、鉱物系の固まるタイプの猫砂を推奨しています。紙砂などは使えないということになります。それに粒の大きさも「○mm以下」のように制限があります。
合わないものを使うと故障の原因になりますので、その辺りもチェックが必要ですね。今まで使っていたものが使えなかったとしても、全自動に切り替える場合はそれは覚悟しないといけません。
購入前にチェックするポイント
上であげたデメリット部分を回避するためにも、金額以外に以下のことを必ずチェックしてから購入に踏み切ってください。
- 置き場所
- 保証の有無
- 体重制限
- 猫砂
置き場所
サイズが明記されているはずですので、あらかじめ置く予定の場所にそのサイズが合うかをみておく必要があります。そうしないと、思いのほか大きくて想定していたところに置けず、やむを得ず寝室に置く羽目になんてことになったら大変です。
保証の有無
高額な商品なので、保証がしっかりついているかどうかをチェックしましょう。その際に年数もどのくらいか、確認するといいです。同じ製品なのに購入するサイトによって変わるということもあるようですので、「いいと思った製品を一番安く販売しているところで購入」と安易に決めないようにして下さい。
体重制限
猫がトイレ内に入ったかを感知するセンサーは製品によって違います。もし重さで判断する場合は「子猫だと軽すぎて認識できない」という可能性があります。また少し高さがあるタイプだと、重すぎる猫には使えないこともあります。
猫の正確な体重を計って、多少の体重増減があることを考慮した上で、許容範囲内の製品を選んでください。
猫砂
今使っているものがそのまま使えるかどうかも確認は必須です。トイレは届いたが、肝心の猫砂がないなんて状態では困りますからね。そのトイレに使える猫砂を確実に用意しましょう。
今のトイレから全自動トイレへの切り替え
心配になるのは、今のトイレから全自動トイレへの切り替えですよね。猫の全自動トイレはドーム型になっているものが多いため、愛猫が怖がって入らないのではないかと考えてしまうかもしれません。
まずは猫に慣れてもらう必要があります。まず最初は、電源は入れずに設置予定の場所にとりあえず置いておきましょう。猫砂はちゃんと入れて下さい。そして今まで使っていたトイレをそのそばに置いて、存在に気付かせてください。今まで使っていた猫砂がそのまま使用できるのであれば、猫のにおいが付いた猫砂を入れてあげるといいでしょう。
数日は警戒して中に入ってくれないかもしれませんが、しばらくは地道に待ちましょう。それでもなかなか入らない場合はマタタビやおやつで気を引く作戦がおすすめです。
無事慣れてくれれば、その中で用を足してくれます。それを確認したら、初めて電源を入れて掃除を行います。この時の様子を猫が近くにいる時にやるようにして、掃除の動作や動作音にも慣れてもらうようにします。そして、また電源を消しておきます。
これを数回繰り返します。そしてもう猫が慣れたなと思ったら電源を点けっぱなしにして、それで完了です。
慣れるのにも猫の個体差があります。出張が多い猫友が購入したと言っていましたので、話を聞かせてもらったところ、届いたその日からすぐに使い始めたとのことでした。これくらい馴染んでくれる猫だったら、二日目にはもう電源は点けっぱなしで問題ないと思います。
でもその友人は、万が一のことを考えて、しばらく慣れるまでは従来のトイレも脇に置いておいたそうです。このように「どちらも使えるよ」の状態にしておくのは、猫にとっても良いことだと思います。性格が臆病な猫の場合は、入るのを怖がる子もいるでしょうから。
全自動トイレは多頭飼いにも向いている?
うちのように猫を5匹も飼っていると、全自動トイレの導入は難しいのではないかと考えています。そのせいで購入に二の足を踏んでいる状態です…。
製品の概要を見ると、成猫2匹や子猫3匹なら大丈夫のようです。実際に使用している方の口コミでも大丈夫だったとコメントされていました。でも5匹だとやっぱり難しいんでしょうか?この辺りはもうちょっと様子見が続きそうです。
また、猫が腎臓関係に病気を持っていて排泄に時間がかかるなどの場合は、トイレの掃除回数が増えることや、掃除を開始する時間を長めに設定しなくてはならないということが出てくるのではないでしょうか。猫の頭数が増えてくると、それぞれで健康状態が変わりますので、その辺の調整が難しいのかもしれませんね。
猫用全自動トイレのおすすめは2つ
amazonや楽天などの口コミも考慮すると、おすすめの猫用全自動トイレはこの2つです。そもそも製品数が少ないのですが、その中でも評価の良いものをピックアップしました。
実際に導入している方はこのどちらかを使っていることが多いようですね。ロボット型(ドーム型)の方はテレビで芸能人のお宅に置いてあるのを見たことがあります。
なお、評価の低い点としては、「愛猫がなかなか中に入ってくれなかった」「慣れるまでに時間がかかった」といった「切り替えの問題」が目立ちました。この点は上手く誘導して愛猫に慣れてもらえば特に問題ないかと思います。
参考:ねこちゃんホンポ
自宅に猫用全自動トイレを導入している方の口コミ
製品のタイプはそれぞれ違いますが、猫用全自動トイレを自宅に導入している方の口コミを参考にしてみましょう。良い点・悪い点どちらもピックアップしましたが、概ね満足している人が多いようです。
「手間が減った」
なんといっても全自動トイレにすることのメリットはこれですよね!評価がそんなに高くない人であっても、手間が減ることだけは認めていることが多いです。
通常のトイレは日に何回も掃除をしなければなりません。その手間がないのは、飼い主にとって本当に楽だと思います。通常のトイレだと、仕事で帰りが遅くなったときなど、帰宅後すぐにトイレを掃除しないとニオイがするので本当に大変ですよね。
1~2週間の間に1回は便を取り掃除をしなければならないでしょうが、毎日やるのに比べたら手間が減ったと思うのは当然です。
「高級感を感じる」
全自動トイレのデザインはシックであったり、高級感があったりするものが多いです。部屋に置いたときに違和感を覚えることが少ないのでしょう。価格が高いものですから、それに見合う外観を味わうことができるということですね。中には小さい男の子が「かっこいい」と喜んでいたというご家庭もありました。
「猫が怖がらずに使えている」
ドーム型を購入した人の口コミです。通常のトイレと違って全体的に大きいですが、入り口が猫にとって入りやすくなっていたり、猫が落ち着きやすい狭小な造りになっていたりするので、初めてでも入ってくれるのかもしれません。
トイレ全体の大きさで考えると「使ってくれるか」と心配になりますが、怖がらずに入れるような工夫を施してあるため、初めてでも大丈夫なのではないかと思います。
それでも不安な人(過去にドーム型のシステムトイレを使ってくれなかった…など)は、ドーム部分が取り外せるものや、ドーム式でないものもありますので、そちらを検討してください。
「使える猫砂が限られる」
上でも書いた通り、購入する前に自宅で現在使っている猫砂が使えるかどうかを確認する必要があります。猫の全自動トイレは、ここ数年でかなり進化しています。改良型や新商品が多く出てきていますが、そのためなのか、逆に使える猫砂がそれぞれ違う場合があるからです。
今までの猫砂が残っていて無駄になってはもったいないと思うと、それを新しいトイレにも使いたくなりますよね。その気持ちはわかりますが、故障の原因となってしまいかねませんので注意が必要です。
まだ今までの猫砂が大量に残っているうちは、切り替えをしばらく待つとか、友人にあげるかといったことが必要になりますね。
「飛び散りがある」
猫砂の飛び散り問題は、通常の猫用トイレと全自動トイレとの共通点かもしれません。愛猫がトイレから出てくる際に足先についている砂を払いますので、どうしても飛び散ってしまうようです。これはもう、仕方ないことして受け入れるしかないのかもしれません。
使っている飼い主さんによっては、飛び散ることを前提として、そのあと掃除がしやすいように専用のマットを使っているようです。
「多頭飼いでも使える」
全自動トイレの種類によっては、成猫3匹でも余裕で使うことができるようです。説明書きに、どのくらいの匹数や利用できる猫の総体重が付いています。そこを参考にしてみましょう。
多頭飼いをしているが仕事で帰りが遅いという飼い主さんもいらっしゃると思います。ですから、自分の猫たちが使いやすいかどうかを必ず見ておいた方がいいですね。
「モーター音がやや大きい」
全自動トイレは電気を使いますので、モーターなどの音がするかと思います。音がしない通常のトイレと比べたら、このように感じるのも無理はありません。購入前にモーター音についてをよく調べるといいでしょう。
口コミに詳しく書いてくれている親切な飼い主さんもいらっしゃいます。最初はびっくりしていたけど数日で慣れた、というくらいの大きさの音だったら、それほど気にしなくても大丈夫ではないでしょうか。
まとめ
飼い主にとって猫のトイレ掃除はとても大変です。それが解消されるのであれば、全自動トイレは高くても「良い買い物」になるのではないでしょうか。私はそう感じました。
全自動トイレは、猫のためだけでなく、飼い主のためにあるものではないかと思うのです。口コミからも、おすすめ!という評価も目立ちます。その辺も大事な要素として、購入を検討してもいいと感じました。
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