初めて猫を飼う場合、飼い主自身が『猫アレルギー』であるかどうかを知っておく必要があります。そうでないと、くしゃみやら鼻水やらが止まらなくなってしまい、最終的に癒やし担当の猫を手放さなければならないなんて悲劇になってしまうからです。飼う前にチェックしてみましょう。
猫アレルギーの症状
猫アレルギーは、猫のいる空間や猫の毛が付いている服を着た人が近くに寄っただけでもすぐに症状が現れます。アレルギーの人はこのような症状が現れます。
- くしゃみが出る
- 目が赤くなってかゆくなる
- 涙が止まらない
- 皮膚が赤くなってかゆみが出てくる
- くちびるの腫れ
- 喉の違和感
- 喉の奥が痛くなって咳き込む
- 喘鳴がひどく出る
ここに書いたのはほんの一部の症状です。花粉症のような症状を感じたら、それは猫アレルギーかもしれません。
いったい原因は何?
『猫アレルギー』といっても、猫の何に反応してアレルギーが出てしまうのでしょう。その辺のことを知っておくことも重要になります。
現在、アレルゲンは8種類あると言われています。猫の脂腺や唾液などから分泌されるアレルゲンに反応することが多いようです。これらのアレルゲンは、ものすごく小さいことが特徴で、花粉やほこりの10分の1程度の大きさしかありません。そのため、さまざまな場所に飛び散りやすくなっています。
また、猫はどの種類でもアレルゲンを持っています。以前、アメリカでアレルギーの症状の出ない猫を発売していたことがありましたが、詐欺だということがわかっています。
アレルギーを持っているか調べよう!
「自分は猫アレルギーかどうかわからない」という人もいるようです。病院に行って検査をすればすぐにわかります。
方法は主に2種類あります。
- 血液検査(少量で済みます)
- 皮膚の表面を針で軽く刺す「プリックテスト」
どちらも保険適用外になるため、これだとお金がかかりすぎちゃう…と思いますよね。実はもっと簡単な方法があります。それが猫カフェに行くことです。
1時間でさまざまな種類の猫とふれ合うことができ、猫好きにはたまらない場所です。しかし、この方法には難点があります。猫アレルギーを持つ人の約半数は、すぐに反応が出るわけではありません。ですから、数回通う必要があるということです。
でも、自分がアレルギーかどうかを見極められるのであれば良いと考える人は試してみてもいいのではないでしょうか。猫を飼った場合のシミュレーションにもなるので一石二鳥です。
なお、猫アレルギーは花粉症などのアレルギーと同じで、飼っている内に突然発症することもあるので注意しましょう。
猫アレルギーの対策とは?
はっきり言って、一番の対策は猫を遠ざけることです。でも、これは猫を飼う者としては元も子もないことですよね。
既に飼っている人からしたら、かわいい癒やし担当の猫ちゃんを手放すなんて考えられないことです。だから、極力アレルギーを抑える対策をするしかありません。
- カーペットをやめて、掃除しやすくする。
- 毎日抜け毛や唾液がそこら中に付くのでこまめに掃除をする。
- 空気清浄機を使用する。
- ウール系の衣類は着ない・置かない。(アレルゲンがひっつきやすく取れにくいので)
- 猫を触ったら、手洗いをする。
- 毛の長い猫はトリミングする。
- こまめにブラッシング&シャンプーをする。(猫に負担にならないように)
- 猫を自分の布団の中に入れない。
- 自分のストレスを減らして体力をつける。
飼い主がストレスにさらされた状態が長く続くと、アレルギー反応が強く出てしまうことがあります。特に「自分は猫アレルギーだ」なんて考え込まないようにしてみましょう。
そう考えるだけでも小さなストレスになってしまいますから、そう考えずに自分でできる対策をやってみて欲しいと思います。なお、今はすごく高性能な空気清浄機が発売されていますので、こういったものを活用するのもおすすめです。
また、オスを飼おうと思っている場合ですが、去勢することでもアレルゲンを抑える効果があると研究結果から分かっています。かわいそうだと思うかもしれませんが、オスは盛りがつくと部屋中におしっこを引っかけて縄張りを作りますので、それをさせないようにするためにも必要ではないでしょうか。
治療法はある?
猫アレルギーの症状緩和や治療法はまだ見つかっていません。病院では「対症療法:今の症状を軽減させる薬を使うなど」が精一杯になります。現段階では、完治は難しいのです。対症療法と自宅でできる対策の二刀流でやっていくしか、今は方法がありません。
ちなみに、猫アレルギーをお持ちの方に朗報もあるのです。2013年、ケンブリッジ大学にてアレルギーの新薬が開発された模様。ですが、これはまだ実験段階にあるそうですので、市販化はもう少し先になるとのことでした。将来はアレルギーがあっても薬で抑えることができるようになるかもしれません。
まとめ
現段階では、猫アレルギーを完全に治すことはできません。症状を緩和させるための薬を使い、対処法を根気よくやっていくことが最善の策であります。
飼っているうちに免疫ができて、反応が出なくなったという人も中にはいます。しかし、全員がそうではありませんので、猫を飼う前に「自分はアレルギーなのかどうか」をきちんと調べましょう。
そしてしっかりと対策をすれば、かわいい猫ちゃんと一緒に暮らせるはずです。