ペットショップやホームセンターのペットコーナーでよく見かけるキャットタワー。猫を飼い始めたら「これも必要かな?」と1度は考えるものですよね。今や猫飼育の醍醐味となっている人気アイテムのひとつです。
キャットタワーは飼育に必要不可欠なものなのかどうかという疑問点や、もし購入するならどんなタイプがおすすめなのかをまとめてご紹介します。
また、DIYが最近ブームになっていますが、キャットタワーを手作りする方法についても参考にしてみて下さい。
キャットタワーのメリット
キャットタワーにはさまざまなメリットがあることを知っていますか?私も最初は用意していませんでしたが、いい点が多くあることを知り、購入した者の1人です。メリットは以下の通りです。
運動不足解消
高いところに登ったり、ジャンプして下りたりするだけでもかなり運動になります。室内で寝てばかりいるイメージがあるかもしれませんが、元々は狩猟をしていた動物です。狭い部屋の中だけでは、運動不足になります。その結果引き起こしてしまうのが、病気です。
運動不足から病気にかかってしまったらかわいそうですよね。少しでも体を動かすことをさせるためにキャットタワーは役に立ちます!
高所・居場所の確保
高いところが好きな猫にとっては、キャットタワーはとても快適な居場所になります。そこでのんびりすることもできますし、ソファーなどの人間との共有空間ではなく猫だけの空間となるわけですから、居場所の確保ができるというわけです。
縦の空間が使えることはもちろん、幅がスリムなタイプもあるので一人暮らしのマンションなどで部屋が狭い場合にもおすすめです。キャットタワーを設置すれば空間を上手に利用して居場所スペースや遊び場を確保できます。
爪とぎができる
素材にもよりますが、爪とぎができます。そうすれば、家具やじゅうたんなどに爪を立てることがなくなり、猫のストレス解消にもなります。新たに爪とぎ器を用意する必要がなくなります。
キャットタワーの種類とは?
キャットタワーがあると愛猫たちがそこで遊んでくれるだけでなく、寝てもくれるのであると便利なものです。私はさまざまなものを使ってきたので、最終的にたどり着いた結論でお話しさせていただきます。
キャットタワーにはさまざまな種類があります。ハウスが付いている複雑な構造のもの、木登りするための棒だけのシンプルなタイプ、天井まで届くような高いものから低いもの、横幅のサイズがあるもの、素材も実にさまざまです。
価格も様々で、安いものなら数千円、高いものは10万円近くするものまであります。
個人的には、低品質な安物を買うよりも、値段が高くてもしっかりした高品質なものを選ぶことをおすすめします。安い物は素材がもろいせいか「壊れやすい」という口コミが目立ちます。それなりに体重のある猫が跳んだり跳ねたりするわけですから、丈夫な造りであることは必須ですね。遊んでいる時に突然壊れたり倒れたりすると怪我をしてしまいます。
それに大きな買い物なので、すぐに壊れるような粗悪なものだと頻繁に買い替えるのが大変です。
また、愛猫にとっては一生使うものですし、そこがお気に入りの居場所となります。猫は自分のテリトリーを大事にしますので、買い替えの度にお気に入りの居場所がなくなるのは大きなストレスとなりかねません。
キャットタワーは頑丈でメンテナンスもしやすく、愛猫が一生使えるしっかりしたものを選びましょう。人気のある製品はたくさんありますが、人気かどうかで選ぶよりも飼育環境に合わせて選ぶことをおすすめします。
本当にたくさんの種類があるのですが、大きく分けると以下の2種類です。
- 据え置きタイプ
- 突っ張りタイプ
この2つの違いを具体的にみていきましょう。
据え置きタイプ
名前の通り、据え置くだけでOKなタイプです。このタイプは土台部分が頑丈に作られていますので安定性があります。場所を選ぶことなく準備ができるので人気のあるタイプです。価格も手ごろなものが多いです!
設置する際の手間もそんなにかかりません(うちではこのタイプを使っています)。大きさも大中小ありますので、部屋の広さや猫の月齢に合わせて準備ができるのも良いですね。持ち運びが可能なので、模様替えをしたい時も1人で動かせます。
猫が入って楽しめるような狭い空間がついていたり、ハンモックがついていたりするなど、実に多彩です。おもちゃがぶら下がっているものなんかもありますよ!棒の部分で爪とぎができるよう、麻素材や綿素材になっているものなんかが人気があります。
ただ、購入するときには、土台部分の底の厚みに注意しましょう。触ってみたときにぐらつかないことがポイントです。柱も何本なのかチェックしてください。本数が多いほど安定します。
猫がジャンプしたら、ぐらぐらしたなんてことにならないために「厚みがあってぐらつかないもの」を選びましょう。賃貸や、傷を付けたくない飼い主さんにも向いていますよ!それに、大型猫や多頭飼いをされている場合は、据え置きタイプがおすすめです。
突っ張りタイプ
こちらは天井に固定することのできるタイプで、空間を活用できますので、高いところが好きな愛猫にはおすすめなキャットタワーです。ただ、大型猫や多頭飼いには向かないと思います。なぜなら、突っ張っている状態なので重たければ緩んでしまうことがあり、思わぬ事故に繋がるからです。購入前に乗れる重さを確認しましょう!
小型~中型猫の1匹で飼っている場合におすすめです。かなりしっかりと固定されますので、据え置きタイプよりも安定感が違います。地震などがあっても大丈夫のようです。天井の高さは家によってまちまちですが、大体どの高さにも伸縮させて天井に届くようになっていますので、設置で困ることはないかと思います。
スリムなのでスペースを取りません。寝心地のいい素材を使っていたり、かご状になっていたりして猫にとっては居心地の良い場所になることでしょう。ただし、天井に傷をつけたくない等の理由がある方は避けた方がいいかもしれません。
たとえ1匹だけでも、週に1度はゆるみがないかをチェックする必要があります。愛猫にケガをさせるわけにはいかないですからね。
購入時のチェックポイント
キャットタワーは購入する前によくチェックする必要があると考えています。そうしないとケガをさせてしまうことがあるからです。
以前、かわいいというだけで買ったものがありました。ふわふわした感触もよかったですし、おもちゃもぶら下がっていたので、遊んでくれる姿を想像しただけで楽しくなってしまい、しっかりとチェックをすることもなく自宅に設置しました。
程なくして、支柱がぐらついているのを発見。「遊びすぎたのかな」なんて思っていましたが、ネジがしっかり締まりきっていませんでした。それに一番下の棚板が木目になっていたので傷がついたり、遊び中に興奮して転んでいるのを見て、こういった所までチェックして買ってあげればよかったと思いました。
私の経験から、キャットタワーを購入する際の注意点は下記の通りです。
- 棚板が起毛生地で覆われているか(ジャンプ後にすべることがなくなります)
- ステップや棚板の角が丸くなっているか(頭をぶつけることもあるので)
- 支柱がしっかりしているか(飛び乗ったらぐらついた、なんてことのないように)
- 置く寸法を測っておくこと(組み立てたら、思っていたより大きかったということも)
ニオイつきのキャットタワーもありますが、なるべくならニオイがしないものをおすすめします。マタタビのニオイつきとかも売られていますが、全ての猫がマタタビ好きというわけではありません。
それに、ニオイがすると近寄らない猫もいます。購入したての時は新品のニオイがしますが、それが気に入らない猫がいるのも事実です。
柱で爪とぎできるタイプがおすすめ!
素材としての理想は、登るときに爪とぎができることですね。要は爪が引っかかりやすい素材がおすすめだということです。綿縄や麻縄、パイル地や段ボール素材などさまざまな素材があります。その中でも麻縄が良いと思います。やはり爪の引っかかりが他とは違うからです。
綿縄や麻縄などはひと目見ただけでは違いがわからないものもあります。パッケージに素材が記載されていますので確認してみてくださいね。
子猫や老猫がいる場合は、ステップ(階段や段差)がついているタイプだと、愛猫の動きがスムーズになります。特に、老猫は登りやすく降りやすいと使ってくれるようになります。
キャットタワーを自作!DIYするのも楽しいですよ!
市販のキャットタワーでは物足りなさを感じる場合や、飼っている猫に合った物、お洒落なタイプを作りたいという飼い主さんもたくさんいるようです。キャットタワーはさまざまな材料で作ることができますので、手作りしてみてもいいのではないでしょうか。
こだわればこだわるほどキリがありませんが、簡単なものであれば価格は数千円くらいで作れます。今は100円ショップやホームセンターなどでさまざまな材料が手に入りますから、無理なく自作にチャレンジできると思います。
自作する際の難易度の目安ですが、初心者でも作れるように難易度の低い順に紹介していこうと思います。
段ボールや牛乳パックでDIY
段ボールに段差を付けるなどして連結して作るという方法になります。段ボールや牛乳パックは、家庭にあっていちいち購入する必要がありません。最も低価格で作ることができます。賃貸物件にお住まいの方やDIY初心者の方、子猫を飼っている方におすすめです。
用意する物
- 段ボールや牛乳パック
- ガムテープ類(連結用)
- すべり止め素材(100円ショップなどで購入可)
- 重石となるような物
自作のポイント
- 段差を付けること
- すべり止め素材を使って、飛び乗った時に揺れないようにすること
- 入り込める部分などを1ヶ所は作ること
- 角はガムテープ類で補強すること
所要時間は1~2時間程度と簡単に作れます。ただし、安定感がないと使ってくれなくなりますので、その点は要注意です。段ボール箱や牛乳パックで作った箱の1番下に重石となるような物を入れると安定性が出てきます。そこに、床と作ったキャットタワーの間にヨガマットなどを敷くと、ズレが生じなくなり、もっと安定します。
牛乳パックはよくすすいで乾かしたものを使いましょう。ニオイがしてくると、猫が舐めて強度が弱くなることがあります。
このように水に弱いことから、長くは使えないというところが難点になります。子猫が使う場合はすぐに壊れることはないでしょう。しかし、子猫が成猫になる頃には、傾いてしまうこともあると思っておいてほしいです。素材が紙ですから長持ちしにくいということを忘れないでください。
カラーボックスでDIY
市販されているカラーボックスや自宅で使用しなくなった物を使います。背面が簡単に外れますので、取り外した状態で使います。賃貸物件にお住まいの方やDIY初心者の方におすすめです。
通り抜けができたりおもちゃを釣り下げたりすることができます。しかも、段ボールで作るより丈夫で安定感があります。
用意する物
- カラーボックス(2つあると段差をつけたものが作れる)
- すべり止め素材(100円ショップなどで購入可)
- カゴやおもちゃ類(おもちゃは柄が付いている物)
- 接着剤
- 角の補強物(100円ショップなどで購入可)
自作のポイント
- すべり止め素材を使って、飛び乗った時に滑らないようにすること
- カゴは固定しておくこと(動くと危険)
- 角は補強物類で補強すること
- できるだけ壁に側面をつけるように設置する
カラーボックスは2~3段程度しかありませんが、通り抜けたり垂れ下がったおもちゃで遊べたりしますので十分楽しめると思います。ただ、背面を取り外してありますので、横揺れが多少します。そのために壁と側面をくっつけ、床にはキャットタワーの下にヨガマットなどを敷くようにして安定感を高めるようにしましょう。
猫はニオイに敏感です。接着剤はできるだけ無臭のものか、使う量を少なめにしておきましょう。
著者がアパート暮らしをしていた際に実際に作ったことがあります。意外と簡単に作れて、安定感がありました。しかも好きなようにカスタマイズできますので、飽きてきたら違う仕掛けを取り付けてあげると喜んで遊んでくれますよ!
紙パイプでDIY
100円ショップなどで簡単に購入でき、工具を使わずに作れる紙パイプのキャットタワーは、自分で高さの調節ができます。アイディアを活かすことができる素材です。例えば、紙パイプに麻ひもをきつく巻き付けることで、爪とぎにもなりますよ。また、布を組み合わせてハンモックをプラスさせることもできますので、かなり満足のいく物ができあがると思います。
用意する物
- 紙パイプ
- 連結部分
- 麻ひも
- カゴやおもちゃ類(おもちゃは柄が付いている物)
- 接着剤
- すべり止め素材
自作のポイント
- すべり止め素材を使って、床との摩擦を減らし滑らないようにすること
- 連結部分が抜けないように固定しておくこと
- 接着剤が猫につかないようによく乾かすこと
- 麻ひもはきつめに巻いてしっかり留めておくこと
1番下の部分は、しっかり連結して固定することで安定感が出ます。それに、連結部分が床と擦れて傷が付くという問題も気にしなくて済むはずです。ただ紙パイプですので、濡れると強度が一気に落ちます。その点だけ注意してほしいと思います。
このキャットタワーは、賃貸物件でも置くことができます。そしてすごく簡単に組み立てることができます。楽しんで作れますよ!おすすめです。
ワイヤーネットでDIY
これも100円ショップなどで安価に揃えられます。しかもケージの代わりにもなりますのでとても便利です。こちらも工具を使わずに作ることができますし簡単です。
用意する物
- ワイヤーネット
- 結束バンド(ワイヤーネットと色を合わせるとなお良い)
- ファブリックボードなど(歩きやすいように)
- カゴやおもちゃ類(おもちゃは柄が付いている物)
自作のポイント
- 結束バンドは取り付けたら端の方に移動させてケガの防止をする
- 上を歩く際にすき間に足を挟めてしまうことがあるので、ボードを取り付ける
- 下部はしっかり4面になるように固定して安定性を高めること
- 猫の体重を確認して耐久性のあるものを使うこと
取り付けがすべて結束バンドでできるので、枠組みや段差などは1時間程度あれば作れてしまうでしょう。ワイヤーネットは、すき間に足を取られてしまうことがありますので、ファブリックボードなどを取り付けましょう。歩いても横になってもいいようにしておくと安心です。布を固定して取り付ければ、ハンモックもつけられます。
購入前に必ず耐久性を確認してください。猫の体重を支えられなければ、ケガをさせてしまうことになりますから、重要視してほしいです(タグに必ず記載があります)。
友人がワイヤーネットと結束バンドでケージ兼キャットタワーを作りました。見せてもらったら、意外にしっかりしていました。猫たち(3匹飼っています)が喜んで遊んでいましたし、疲れたらそこで寝てもいました。正直、「市販のものに負けていないかも。」と思ったくらいです。
L字棚受け&棚(木材)でDIY
L字になっている棚受けを壁に取り付けることで、キャットタワーならぬキャットウォールが作れます。この方法は、賃貸物件以外でおこないましょう。低い位置から乗れるように取り付ければ、子猫も使うことができます。棚の上にカゴを取り付けるだけでそこで寝ることができます。
ただし、猫の体重が乗っても大丈夫なように耐久性を確認する必要があります。
用意する物
- L字棚受け(100円ショップで購入可)
- 棚(木材)
- すべり止め素材(100円ショップなどで購入可)
- カゴやおもちゃ類(おもちゃは柄が付いている物)
- ネジ類
自作のポイント
- 貼るタイプのすべり止め素材を使って、飛び乗った時に滑らないようにすること
- カゴは固定しておくこと(落下の危険があります)
- 耐久性の確認をすること
材料は100円ショップなどでも手に入りますが、耐久性を要チェックしなければなりません。棚に飛び乗った時に滑ってしまうことがあります。
猫カフェで実際に見たことがあります。キャットタワーでもキャットウォールでも木製の物に飛び移る時に毛で滑るのでしょうか。勢い余って落ちてきた子がいました。この子は低いところから落ちたため、ケガをしませんでしたが、場所によっては避けきれずぶつかってケガをする可能性があります。
だからすべり止めは必要です。木製の場合は、使っている間に木片が出てきて肉球に刺さってしまうこともありますので注意が必要です。
壁に直接取り付けるキューブタイプの家具が売られていますが、猫には向かないと思います。確かに上下運動ができるので登ることもあるでしょう。しかし、あくまでも猫仕様ではありません。その辺りに注意しましょう。
ディアウォールでDIY
ディアウォール(木材の上下に取り付ける物)を利用すれば、賃貸物件などの壁に穴を開けられない住まいに取り付けてキャットタワーやキャットウォールが作れます。
取り付けたいと考えている壁のサイズ(主に高さ)を図って、ホームセンターなどで木材を切り、ディアウォールを取り付けて設置し、その後でさまざまな物(棚やカゴなど)を取り付けます。
金額的には紹介させてもらった中で1番費用がかかります。木材を運んでもらう場合は、別途料金がかかります。
用意する物
- 木材
- ディアウォール
- L字棚受け
- 棚(木材)
- すべり止め素材(100円ショップなどで購入可)
- カゴやおもちゃ類(おもちゃは柄が付いている物)
- ネジ類
自作のポイント
- 作る前にどのようなものにしたいか考えて必要な物を準備すること
- すべり止め素材を使って滑らないようにすること
- カゴは固定しておくこと(落下の危険があります)
- 耐久性を確認すること
この方法は本格的なDIYとなります。ホームセンターなどで注文をして木材のカットをしてもらうためにその場ですぐにというわけにはいきません。少し時間がかかると思っておきましょう。
でも、賃貸物件でも十分に活用出来ますし、手作りの域を超えた仕上がりが期待できます。飼い主さんの想像通りの物が作れますので、楽しみながら作れて満足感がかなりあると思います。
ディアウォールは、強度があり耐久性もあります。さまざまな物を取り付けることができますよ。ステップをつけることで子猫から老猫まで使えるものになります。
キャットタワーまとめ
キャットタワーはかわいいものがたくさん売られています。でも、形状や素材を見てちゃんとしたものを選んであげることが大切です。安全性だけでなく、長持ちするという経済的な理由もあります。
今はキャットタワーもネットでしっかり調べてから購入できるので便利ですね。
アパートやマンションなどの賃貸にお住まいの方は、『据え置きタイプ』のキャットタワーがおすすめです。持ち家で天井に傷がついても大丈夫、または多頭飼いをしている方は、『突っ張りタイプ』のキャットタワーがいいでしょう。
高齢の猫、月齢の低い子猫を飼っている場合は、据え置きで高さの低い物が良いと思います。子猫が登って下りられなくなってしまっては大変ですので。
また、キャットタワーは簡単なものであれば自作することもできますので、ご家庭でアイデアを出し合って楽しみながら手作りしてみて欲しいと思います。