歩き方が変!?飼い猫が椎間板ヘルニアになる原因とその症状

歩き方が変!?飼い猫が椎間板ヘルニアになる原因とその症状

四足歩行の猫にとって、腰の問題はただごとではありません。上下運動をしますから人間よりもかなりの確率で椎間板ヘルニアになってしまいます。

猫は言葉にして飼い主に痛みを伝えることができません。もし椎間板ヘルニアになってしまっていたら事態は深刻ですから、早期発見が大切になってくる病気です。

スポンサーリンク

椎間板ヘルニアの仕組み

椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間に挟まっている「椎間板」と呼ばれるクッション状のものが、何らかの原因で押し出されたり、変形してしまったりすることです。

椎間板ヘルニアには種類があります。

  • 髄核脱出型:クッション状の物が突出している(強い症状が出て急に動けなくなりますのですぐにわかります。)
  • 繊維輪突出型:椎間板が突出ではなく変形した状態(痛みがそれほど強くないのである程度の動きがとれます。そのため気づくことが遅れてしまうことも。)

はみ出したゼリー状の椎間板が周辺の神経や血管を圧迫し、腰や足に痛みやしびれといった症状を引き起こします。既に経験のある方もいるかもしれませんが、人間も椎間板ヘルニアになったら痛みに痺れにと大変です。

片足が痺れて5分も立っていられないという症状がある人や、座っていても寝ていても腰痛がある、排泄に関する神経が通っているのもそのあたりですので、排尿などにも支障が出てきます。

ヘルニアは1ヶ所で起こることもありますが、状態によっては複数ヶ所で起こることもあるため、獣医さんの正確な診断が必要です。

猫が椎間板ヘルニアになってしまう原因

猫が椎間板ヘルニアになってしまう原因

猫は、四足歩行で上下運動を主として行動しているため、椎間板ヘルニアの発症確率が高いと言われています。

過度の力が加わる

高いところから飛び降りたり、急激に強い力が腰にかかったりすると、椎間板に大きな負担がかかってしまいます。椎間板自体は頑丈にできているのですが、強い力がかかれば飛び出してしまうことも往々にしてあります。また、長年にわたって同じところに力がかかるような状態でも起こります。

上下運動が得意な猫にとっての過度の力とは、交通事故や高所からの転落、壁への激突などが挙げられます。猫同士のケンカなどで、逃げるような場合に壁へ激突(不意打ちで起こる横からの殴打など)があります。しかも、このような場合だと瞬間的に強い力がかかりますので、椎間板が変形してしまうこともあるそうです。

近年増えているのは、フローリングでの事故です。ワックスがかかっているような滑りやすい状態の床では、体を支えるために普通よりも圧力がかかってしまいます。年末の大掃除などでワックスをかけるご家庭ってあると思います。その際に磨きすぎてしまうと、床は美しいのですが、猫は滑ってケガをしてしまいやすくなります。

著者宅でも1度ありました。猫たちが滑って歩きずらそうにしていたのです。幸い椎間板ヘルニアにはなりませんでしたが、危険であることは十分理解できました。後日、ワックス落としをして、滑らないように対処しました。それまでは応急処置として、すべり止めにマットを活用し、猫たちの行動を少し制限しました。

もし、滑りやすくなっているご家庭がありましたら、すべり止めマットなどを敷くようにしましょう。少しの工夫で愛猫のケガを防ぐことができます。

スポンサーリンク

肥満体

太りすぎれば当然の事ながら、腰に負担がかかります。動きにも制限がかかるため、遊ばせようとしたときなどに椎間板を痛めてしまう可能性があります。

老化によるもの

猫も歳を取れば、コラーゲンが減少するのは人間と同じです。椎間板はコラーゲンが成分となっていますので、老化で低下すれば今までは大丈夫だった動きでもヘルニアになってしまうことがあります。

老化現象だけでなく、そこに過度の力が加わったり、肥満体になっているなどの負荷があるとさらになりやすくなります。

猫の種類によってはヘルニアになりやすい

骨の奇形(軟骨形成の以上など)を持っているマンチカンスコティッシュフォールドなどの猫種は、椎間板ヘルニアを発症しやすいと言われています。イギリスにて、2016年に行われた調査では、純血猫・ブリティッシュショートヘアーペルシャなどが椎間板ヘルニアになりやすいファクターが高いとされました。

マンチカンのような小型で足が短い猫は、軟骨形成に異常を持っていることが多いです。その上、椎間板の繊維輪が普通の猫よりもろいと言われています。だから、椎間板ヘルニアになりやすいのです。

その他に、「肥満」「小型」「胴長」の3つの特徴がある猫は、椎間板ヘルニアの発症率を高める要因になるという調査結果も出ています。単体だけでもなりやすいとされていますので、3つが揃わないように注意しましょう。

また、「くる病にかかっている猫」や「外出をする猫」も椎間板ヘルニアを発症しやすいようです。なるべく、腰に負担がこないような生活をさせることが必要ではないでしょうか。

椎間板ヘルニアの時はこんな症状が出る

椎間板ヘルニアの時はこんな症状が出る

椎間板ヘルニアになったかどうか、猫は話せないので言葉で伝えることができません。明らかにおかしいと思える症状が出ますので、チェックしてみてください。その中でも初期症状と重度の症状がありますので、状態を知っておくと早期発見に繋がると思います。

初期症状

痛みを生じていても動くことができるので、飼い主さんにとっては気づきにくいかもしれません。ポイントは、背骨付近を撫でるように触っても腰を落としたり嫌がったりします。「撫でているだけなのになんで?」といつもと違う様子を見せたら、疑ってみることも必要です。

椎間板ヘルニアになった猫友の子(MIX・オス・7歳)は、いつも通り背中を撫でたら、噛まれたそうです。本気噛みではなかったようですが、そんなことをしたことがなかった子なので、動物病院に電話をして相談したとのこと。獣医さんとの話の中で受診を決めたと言っていました。そしたら、椎間板ヘルニアと診断されたのです(投薬治療になったそうです)。

愛猫がいつも通り動けていると、飼い主さんとしては「動きが変かな?」くらいに思うだけで、まさか椎間板ヘルニアを発症しているとは思わないことが多いようです。背中を触ることの嫌悪感以外に、おしっこをちびってしまうこともあるようです。トイレに行くことはできても、出きったかのあたりがわからないのかもしれませんね。

スポンサーリンク

重度の症状

重度になりますと、動くことを嫌がります。トイレに行かなかったりご飯を食べに来なくなったりという状態でしょうか。トイレに行けないため、お漏らしをしてしまうということもあります(排泄の感覚が麻痺していることが考えられます)。

動かないため、安心できる場所にいるようになります。押し入れの奥や段ボール箱の中に入って出てこないなんて状態です。トイレに行くことができないというより、排尿に関する神経も圧迫によってわからなくなっているので、垂れ流しになることもあるでしょう。

このように動きや様子が明らかにおかしい状態になってから気がつくことが多いようです。気づくのが遅れてしまうと、手術が必要になっているくらい重症化していることもありますので、猫にも飼い主さんにも大きな負担となってしまうことがあります。いつもと様子が違うと思ったら獣医さんに相談してみることをおすすめします。

歩き方がおかしいときは要注意

最初に感じるのは、「歩き方がおかしい」ということでしょう。それ以外の症状は次の通りです。

  • 運動を嫌がる(横になったり、じっとしている)
  • 足を引きずっている(後足の痛みや麻痺)
  • 歩くたびに後ろ足に力が入っていない感じ

このように、少しでもおかしいと思ったら動物病院への受診をおすすめします。愛猫を受診させる時は、嫌がって暴れることがあります。

特に腰のあたりを圧迫しないように抱き上げるようにしましょう。早い段階で連れて行けば、手術など愛猫に痛い思いをさせなくても済むからです。病院での主な治療方法としては以下になります。

  • 内科療法
  • 外科療法
  • リハビリ

このうちどのような治療になるかは、椎間板がどの程度出ているかによりますので、獣医からしっかり説明を受けましょう。

椎間板ヘルニアの治療でかかる費用

椎間板ヘルニアの治療でかかる費用

椎間板ヘルニアは、早期発見することができれば手術をせずに投薬治療などで済むことがあります。しかし、発見が遅れてしまえば、椎間板の手術が必要となります。手術だけでなく入院や投薬などさまざまなところで費用がかかってしまうことになります。

手術になってしまったら

発見が遅れ、手術になってしまったら、術前にさまざまな検査(MRIなど)が必要となります。術後は安静期間が必要なので入院しなければいけません。その後は投薬だけでなくリハビリも必要となります。

検査と手術でかかる費用は、約10~40万円程度かかります(地域や動物病院によって異なります)。入院は5~10日程度ですので、長引けば長引くほど費用が発生します。

退院後はどの位の通院が必要か?

退院後も通院が必要です。だいたい5~10回は通院をしなければならないでしょう。経過観察が必要だからです。そして、投薬も1ヶ月はおこなうようです。

安静が必要な時期は1~2ヶ月ほどと言われています。1匹だけの場合は、自宅でそのまま休めますが、多頭飼いの場合は隔離をした方がいいです。手術をしたのですから、痛みなどで猫も他の猫に構われたくないはずです。それに他の猫が傷口を舐めてしまうようなことがあれば、炎症を起こしてしまうことがありますので、注意してください。

手術をした猫の方は、自分の命を守るという本能から気が立っていることが多いです。心身共に休ませることを第一と考え、トイレや食事なども別にしてあげましょう。ケージに入れて隔離をする場合は、見えないように布で覆ってあげるようにするといいでしょう。

著者宅でも手術をした子や、ケガ・病気をした子が病院から帰って来たときは必ず隔離します。心身共に休むことが必要だからです。そうしないと、気が立っているため余計なケンカ騒動になってしまい、悪化させてしまうこともあります。

通院費用は、通院1回が5000円程度かかるかと思います。その他に薬代やレントゲンなどの検査代などが毎回ではないにしろ、数回はかかると思っておきましょう。

ペット保険が利かないこともある?!

「ペット保険に加入しているから、少し高い費用がかかっても大丈夫」という飼い主さんがいらっしゃるかもしれません。一度、契約書を見直してみてください。もしかすると、「椎間板ヘルニア」は除外されている可能性があります

ペット保険の会社には、椎間板ヘルニアの補償を含んでいない場合があります。猫は椎間板ヘルニアになりにくいとされているためかもしれません。しかし、まったくならないという補償はありません。

椎間板ヘルニアのような大きな外科的手術が必要なケガ・病気もカバーしてあるかどうかをチェックしてみましょう。

スポンサーリンク

椎間板ヘルニアになってしまった時の対策!

椎間板ヘルニアになってしまった時の対策!

椎間板ヘルニアになってしまったら、手術などをした場合、入院等になります。

それ以外は自宅での安静・療養になるでしょう。そんな時に必要となってくる介助・対策をご紹介します。

排泄の補助

どの部分で神経を圧迫しているかによって、補助の仕方も変わってきます。神経麻痺が膀胱や直腸にまで及んでいる場合、自分でトイレに行って排泄することができません。その場合は尿道に「カテーテル」と呼ばれる細い管を入れます。排便は、浣腸をするなどが必要です。

神経麻痺が足の方だけで、自力で排便ができる場合は、トイレまで連れていくかケージの中にトイレシートなどを敷くかおむつをするかして、排便をさせる方法を取ります。いずれにしても手助けが必要です。

歩行の補助

神経麻痺がひどい場合や、高齢で運動機能の回復が見込めないような場合は、猫用の車いすが必要となるでしょう。その場合は、獣医から話があると思いますので、受診もして補助用具を用いてと、愛猫の生活を守ってあげる必要があります。

関節の弱い動物用の昇降台も販売されていますので、環境的に必要な場合は用意してあげるといいでしょう。

ベッド・寝床の見直し

猫にとってベッドや寝床は長時間居座る場所です。だからこそ、出来るだけ体に負担がかからない環境を用意してあげる必要があります。老猫だったり病気で介護が必要な猫の場合はなおさらです。

飼い猫が愛用しているベッドや寝床のクッション性が低い場合は、同じ場所に居続けても体に負担のかからない体圧分散タイプを用意してあげましょう。

こちらの記事で詳しく紹介しています。

まとめ

飼い猫が椎間板ヘルニアになってしまったらと思うと、本当にかわいそうな気持ちになりますよね。できるだけ予防のためにさまざまなことをしてあげなくてはいけません。肥満にしないように食事の管理をするなどがこういう場面で思い出されるでしょう。

猫は話すことができません。そのために、飼い主がしっかりと面倒を見てあげなくてはいけないということがお分かりになると思います。椎間板ヘルニアは、人間がなっても痛みとしびれで本当に苦しみます(何年も苦しむ人がいるくらいです)。

愛猫がそんな病気になってしまわないために、予防を普段から気をつけてあげましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました