猫の腎臓病(腎不全)の症状と原因!予防のための食事療法を!

猫の腎臓病(腎不全)の症状と原因!予防のための食事療法を!

老猫の死因で多いのが腎臓病(腎不全)です。ゆっくりと進行するので、飼い主はおろか飼い猫も気づかないうちに進んでしまっているということの多い病気です。そんな腎不全の症状や原因、予防のためにできる食事療法などを知識として持っておけば、いざおかしな症状を見せた時に、素早い治療の手助けになります。

是非ここで、腎不全についての概要と予防を把握して、腎不全にならないように、万が一なってもすぐに気づけるようにしてくださいね。



猫の腎臓病について知っておこう!

猫の腎臓病について知っておこう!

腎臓が何らかの原因で悪くなってしまうと、腎臓病という病名がつきます。この腎臓病は、猫の死亡原因の上位に挙がっていることでも知られていますね。その中でも慢性腎臓病が一番多いです。高齢期の猫は特に注意が必要です。

腎臓の働きと腎臓病

腎臓は、血液中の老廃物を取り除くためにろ過し、血液をキレイに保つ役割をする臓器です。腎機能の役割は、大きく分けると3つです。

  • 血流に乗ってきた老廃物をろ過する役割
  • 水分やミネラルを再度体に戻す役割
  • 血液を作る指令を出す役割

この3つはとても大切で、体を正常に保つために働いてくれます。ここが何らかの原因で病気になってしまうと腎臓病になってしまうわけです。

腎臓病とは、腎機能が低下して元の状態に戻らなくなった状態をいいます。定義としては、腎機能の50%以上が失われた状態となっています。

10歳以上の高齢猫が多くかかりやすいと言われています。しかも、腎臓は、一度悪くして機能が失われてしまった場合、回復することがありません。だから、とてもやっかいな病気なのです。

初期の段階ですと、症状の1つである食欲低下がみられないだけでなく、他の症状もほとんど見られません。気づいた時には、治療も進行を遅らせることしかできないので、愛猫を少しでも楽な状態にしてあげるしかないというのが現状です。

猫の腎臓病は、2つに分けられます。「慢性腎臓病」と、「急性腎臓病」です。慢性は、老化に伴って起こる腎機能の低下が原因になります。そのため、症状の進行がゆっくりであるため、気がついた時はかなり悪くなっていることが多いです。急性は、何らかの原因で急激に腎機能が低下したことで起こります。

猫の死亡原因の上位に挙がっている慢性腎臓病は、症状が進行して腎機能が失われてしまう状態になると、「腎不全」と呼ばれます。

腎不全とは?

腎不全とは?

腎不全は、言葉の通り、腎機能がほぼ失われた状態のことを言います。老廃物を排出することなどができなくなってしまいます。「不全」という言葉を使われていることから、機能が失われ生きることが難しい状態であることがお分かりになるかと思います。

老廃物を排出できなくなっていますので、これらが体の中に残り溜まっていますから、猫にとっては、体調が悪くかなりつらい状態だと言えるでしょう。この段階になりますと、食欲もなくなります。

9歳以上の猫はかかりやすくなります。そして、年齢が上がると発症する確率が高くなっていきます。

慢性腎臓病と慢性腎不全の違い

この2つはよく間違えられてしまうので、注意が必要です。わかりやすく言いますと、次のような分け方になります。

  • 慢性腎臓病:老化に伴って起こる腎機能の低下。食欲は多少なりともあり・症状は見られる
  • 慢性腎不全:腎臓病の悪化に伴い、腎機能がほぼ失われている状態。食欲がなく、症状も出ている。
  • 『慢性腎臓病→(悪化)慢性腎不全→(悪化)末期腎不全』

「末期腎不全」は、慢性腎不全が悪化し、腎機能がなくなってしまった状態のことです。食欲はありませんし、急激にやせてしまいます。老廃物が血流に乗って体の中を巡っているため、口臭はアンモニア臭が強くします。また、猫自身が体調不良で、ほとんど動かない(動けない)ようになっているでしょう。そのため、トイレに行けない状態になります。

この「腎臓病」と「腎不全」を混同してしまわないように、はっきりと違いを理解しておきましょう。



腎不全は泌尿器系の病気

腎不全は尿を作られる器官の病気ですので、泌尿器系の病気になります。腎臓の役割は『老廃物の除去』と『尿の生成』と『ホルモン分泌』です。腎不全になって尿を生成し老廃物として排出することができなくなると、血液の中をその老廃物が回ることとなり、体の中に溜まっていきます。こうなると猫の体調が悪くなり、下手をすると命の危険に及ぶ怖い病気となるのです。

腎不全には、急性と慢性の2つがあります。それを次の項目でそれぞれ見ていきましょう。

急性腎不全

急性腎不全

急性腎不全とは、急に(日数にして1日で!)腎臓の働きが低下してしまう病気です。急性腎不全は、いわゆる「急性腎障害」というものです。急激に腎機能が低下し、症状が現れます。緊急性がすごく高いので、すぐに受診が必要です。

獣医さんに一刻も早く原因を突き止めもらい処置をしてもらわないと、死に至ることもあります。急性の場合は、発病後早いうちに受診をして適切な処置を受ければ、回復する可能性の高いものです。

急性腎不全の症状

症状は急激に悪化するため、「変だ」と感じた時にすぐ受診させることが必要です。

  • 食欲低下
  • 元気がなくなる
  • おしっこの量が明らかに減る(まったく出ない)
  • 嘔吐(回数は多め)
  • 口臭がアンモニア臭

などがあります。症状が進行すると、貧血を起こしてしまうこともあります。それ以外に毛づやが悪く、毛のパサつきで気づく飼い主さんもいるようです。

実家の猫(当時6歳:オス:MIX)が、急性腎不全を起こし、急死したことがありました。その際、とにかく嘔吐がひどかったそうです。そして、口の周りを拭いてあげている時に、アンモニア臭がしたことで、「おかしい」となり、両親が急いで受診させたとのことでした。

しかし、水分がうまく摂れていなかったことや、病院へ向かう車の中でけいれんを起こしていたなど、悪化していたそうで、治療の甲斐もなく亡くなってしまいました。

相当悪くなっていたんだと思います。まさにサイレントキラーとでも言いましょうか。私にとってもショッキングな出来事でした。

急性腎不全の原因

急性腎不全の原因

慢性の腎不全が悪化して発病するという場合もありますが、それ以外では、細菌性腎盂腎炎などのような感染症が引き金となることも原因の1つです。

いくつか原因となるものがあります。

病気

尿の通り道をふさいでしまう病気が原因です。たとえば、尿管や尿道に結石が詰まっていたり、腫瘍などができたりしてしまうことがあります。そのせいで尿道を塞ぎ、老廃物が逆流してしまい、腎臓の働きができなくなってしまうというものです。

感染症

これは腎臓の組織に細菌やウイルスが入り込み、炎症を起こしてしまう状態です。腎機能が急激に低下してしまいます。

極度の脱水

発熱を伴うような病気をしている時など、水分が摂れていない(食事からでも)と1日に出て行ってしまう水分量に対して入ってくる水分量が少ないことがあります。そうすると極度の脱水になってしまうことになり、腎臓に水分と血液が減少してしまいます。赤血球は酸素を運んでいますので、酸素も不十分となります。

また、尿結石などに気がつかずにいることで、尿管を塞いでしまい、悪化することもあります。尿結石になりやすい体質の猫もいますが、水分不足などが関係してきますので注意が必要です。

中毒

猫には中毒を起こしてしまう毒物があります。人間には何ともなくても、猫の体内に入ると急性腎不全を起こしてしまうのです。腎臓は毒物なども体外に排出するために働きます。しかし、毒であるが故に大きな負担となってしまいます。家庭にもある急性腎不全を引き起こす毒物はこんなものがあります。

  • ねぎ類(玉ねぎ・長ねぎ・らっきょう・ニラなど)
  • タコやイカ
  • 人間の薬(解熱鎮痛剤など)
  • 保冷剤など(エチレングリコール)
  • ユリ

などです。猫が口にしないように出しっ放しにするようなことはしないようにしましょう。特に保冷剤は、夏場に活用すると思います。溶ければゼリー状となるため、猫の口に入りやすくなることがおわかりでしょう。タオルに包んで使うなどして、口に入らないように使い方に工夫が必要です。



慢性腎不全

慢性腎不全

慢性という言葉が付くと、ずっと腎不全の状態なのかと思われるかもしれませんがそうではありません。尿をろ過する役割のネフロンという部位が緩やかに壊れていく状態で、ゆっくりと腎臓が機能不全に陥っていくという意味です。

腎臓全体の尿のろ過機能が低下してしまうため、腎臓の組織がいったん壊れてしまうと、治療をしても元の状態には戻れません。これが慢性腎不全です。

また、進行性の病気で、数年をかけて進行しますから、できるだけ早い発見と受診が大切です。この病気は腎機能の30%程度を失っても症状が出ないことが多いです。そのため、気づかないうちに進行してしまうという怖さがあります。

慢性腎不全の症状

ゆっくりと進行していきますので、症状がみられる場合は、受診をするようにしましょう。

  • 多飲多尿
  • 体重減少
  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 便秘や下痢
  • 口臭がきつくなる(アンモニア臭を感じることも)
  • 舌の色が白くなる(貧血が関係)
  • 元気がなくなる
  • おしっこ臭がいつもと違う(異様に臭い)

などがあります。貧血や夜尿といった症状が出ることもあります。何より毛のツヤなどもなくなりますので、日頃からお手入れをしている飼い主さんならおかしいと気づくことでしょう。

慢性腎不全は、急性のようにいきなり何かが起こるのではありません。だから、日頃から愛猫の状態を把握して置くことが必要で、これが早期発見に繋がります。

特に注意して欲しいポイントは、「急に水を飲む回数が多くなったな」ということです。何度も何度も飲みに行くようです。水飲み場だけでなく、水道や風呂場などでも飲んでいるような姿を見かけたら、他の症状が出ていないか観察しましょう。

進行度の目安

慢性腎不全は、進行度の目安があります。初期段階であるステージ1から、末期段階とされるステージ4に分類されています。

  • ステージ1:症状はほとんど出ないため、発見するのが難しい
  • ステージ2:多飲多尿の症状が見られるようになる(注意深い観察で気づくことができる)
  • ステージ3:さまざまな症状が見られ、毛並みが悪くなるといった、見てわかるような不調が出る
  • ステージ4:腎臓以外の臓器にも障害が起こり、重症化していることが多い

できるだけ早い段階で、発見することができれば、愛猫を楽にしてあげることができることでしょう。

慢性腎不全の原因

慢性腎不全の原因

原因の1つは遺伝によるものです。アビシニアンやペルシャなどの猫種は、慢性腎不全を発症しやすいことが確認されています。遺伝として出やすいのは、「シャム」や「メインクーン」、「アビシニアン」や「バーミーズ」、「ロシアンブルー」などの腎臓障害をもつ家系の猫です。年齢が上がることで腎機能の低下がみられます。

2つ目は基礎疾患によるものです。元々、猫が保有している何らかの病気が原因となって腎不全を引き起こしてしまうということがあります。

3つ目は、2016年に行われた調査でわかったことですが、「AIM」と呼ばれる特殊なタンパク質の成分が十分機能しないことで、慢性腎臓病を引き起こしてしまう可能性があるのではないかということでした。

原因はいくつかありますが、高齢であることが大きく関わっていると思っておきましょう。年齢が高くなればなるほど、正常に働くネフロンの数が減っていくのはお分かりになると思います。

遺伝的な原因や基礎疾患などが引き金になることもありますが、猫は元々ネフロンが少ない動物であるため、慢性腎不全を起こしやすいのです。人間が約200万個、犬が約40万個であるのに対し、猫は約20万個しかありません。数字で見ると、一目瞭然ですね。

そして、猫の年齢が15歳以上になりますと、30%以上が慢性腎不全を発症している可能性があると言われています。だから、十分に注意したいものです。

腎不全を予防するために

腎不全を予防するために

大切な飼い猫に腎不全なんてかわいそうな病気にかからせたくないですよね。そのためには予防が必要不可欠です。一番大切なのは、食事管理になります。子猫の時から人間の食べ物を食べさせるようなことをすると、塩分過多となり腎臓に大きな負担をかけます。

人間の食べ物(ちくわ・かにかまぼこ・煮干し・味のついた肉や魚など)は、塩分が高いので、猫が欲しがってもあげないようにしなければいけません。煮干しなども猫用と書かれたものであれば問題はありませんが、人間用の食べ物は腎臓に負担をかけてしまうと心がけなければならないものです。

子猫の頃からの食事ケアが大切なポイントになります。キャットフードと水、時々おやつ(与えすぎの腎臓には良くないそうです)というように管理することが予防方法となります。

つまり腎臓に大きな負担をかけない食生活を送っていくということです。日々の食事だけでなく、中毒を起こしてしまうような食品や植物などを摂取してしまうようなことがないように、飼い主さんが注意することも大切です。

腎機能維持のために必要なこと

腎機能維持のために必要なこと

リンやナトリウムの摂取低減

電解質の大量摂取は、排泄能力を低下させてしまいます。食事に含まれるリンを減らすことで延命効果があるという論文が多く発表されています。

たんぱく質を必要以上に摂らない

必要以上にたんぱく質を摂取してしまうと窒素が老廃物として出ます。その量を減らすことができれば、腎臓への負担を軽くすることができると言われています。

オメガ3脂肪酸は積極的に摂取

高血圧や酸化ストレスを減らしてくれる効果がありますので、腎機能障害の進行を抑制してくれると言われています。これらのすべてが、腎臓への負担を減らすことに繋がっています。

早期発見早期治療

早期発見早期治療

食事ケア以外には、早期発見のためにも、高齢になったら定期的な受診をおすすめします。

  • 7歳以上:年に1回程度
  • 10歳以上:半年に1回程度

早期発見のために定期的な受診と、高齢期になったら「食欲・体重・飲水・排尿」の4つに気をつけてみておきましょう。この4つは、とても大切ですが、日常的なものでもありますので、見逃しやすいポイントでもあります。

「普段と違うな」と思うようなことが1つでもあったなら、他の点にも目を配るようにするといったようにしてみるのもいいでしょう。大切な愛猫のためです。これはこれまで一緒に生活をしてきた飼い主さんにしかできない気づきです。

小さな変化として挙げられるのは、

  • 高いところに登らなくなった
  • 遊ばなくなった
  • 毛づくろいをしていない(回数が減った)

などのサインも体調が悪いときに見られます。これらの変化があって上記の4つのどれかが見られたら、獣医さんに相談するか、定期検診時期以外だとしても受診をしてみましょう。



まとめ

猫にとっては、かなり苦しい思いをすることになる腎不全。そんな苦しい目に合わせないためにも長期的な食事管理が大切になってきます。

万が一、かかってしまった時も症状がわかっていれば、すぐに受診することができるでしょう。それだけでなく、定期検診で見つかることもありますので、受けさせることを忘れないようにしてあげて欲しいと思います。

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