猫の手足についている肉球は、ぷにぷにしてて気持ち良くて、ついつい触ってしまうことの多い箇所のひとつです。また、「肉球のにおいがたまらない!」と度々嗅いでしまう飼い主さんも珍しくありません。
こんな可愛い肉球にさまざまな役割があることを知っていましたでしょうか。それに、毛の色や年齢によって色に違いが出てきたり。肉球のこういった特徴や役割などの話をしていこうと思います。
猫の肉球の役割
猫の足の裏にある肉球は、さまざまな役割があります。飼い主が触って満足するだけのような気がしないでもないですが、実際はそうではありません。笑
肉球には、かなりの神経が通っています。触ると嫌がる猫がいたりすると思います(私は噛まれます)。
人も触れられて嫌な感じがすることってありますよね。それと同じで、ある種センサーのようなものです。触ってというか、猫パンチをくり出すことで、見知らぬ物が安全かどうかを確かめているのです。
肉球は、触るとぷにぷにして柔らかい感触がしますね。これがあるおかげで、足への衝撃を緩和してくれるのです。いわゆるクッション材のような役割です。高いところからジャンプした後に、何ともなく歩けるのは、肉球のおかげということです。
そして、このクッション材である肉球を利用して、足音をさせないように、普段から忍び足で歩くことができるのです。その他に、マーキングにも使われます。
肉球には本当に小さなくぼみ部分があり、真皮層にあるエクリン腺に繋がっています。ここから、わずかですが汗を出します。
分泌された汗には、ニオイが含まれていますので、マーキングのニオイつけに使われています。また、汗を分泌させますので滑り止めとしての役割もあります。
肉球の特徴
猫の足の裏をみると、肉球は1つだけではありません。真ん中にも指の辺りにもありますよね。それぞれに名前があったり、毛の状態によって色が個々で違ったりするなど、特徴があります。
【前足】
真ん中にある三つ葉のクローバーを変形した感じの大きい肉球は、「掌球」(しょうきゅう)と言います。人間でいうと、手のひらといった感じでしょうか。
大きめの肉球「掌球」のまわりについている、5つの小さな肉球は「指球」(しきゅう)と言います。指を守るようについていて、刺激が加わったときにしっかり分散することができるようになっています。
これらの肉球とは離れた場所についている肉球は、「手根球」(しゅこんきゅう)です。ちょっと他の肉球とは違って固めな感じがしますね。
【後ろ足】
前足とは異なった形をしていることを知っていましたでしょうか。そのため、呼び名も違うのです。
真ん中の大きめの肉球は、「足底球」(そくていきゅう)と言います。着地の時に後ろ足は後から着くので、前足よりは少し小さめな感じがするかと思います。
「足底球」のまわりについている小さい肉球は、「趾球」(しきゅう)といい、前足と違って4つしかありません。
肉球の色の違い
猫の肉球は、毛の色に準じて単色であったり、2色以上が混ざった色であったりします。
うちの猫で言いますと、
- 毛の色が白い→肉球は薄ピンク
- 三毛猫のMIX→肉球は茶色と薄ピンクの2色
- 全体的に黒でお腹と足先が白→肉球は黒
です。
このように、色の入り方は、個々によって違ってきます。ここでおもしろいのが、肉球と同じように鼻の色も同じような色の出方になるということです。毛の色が薄い猫は薄く、色の濃い猫は濃く出ます。
しかし、肉球は、成長に従って模様が変化することがあります。生まれてからずっと同じ色であるということではないようです(子猫から飼う場合は、色を見ておくと変化をキャッチ出来るかもしれませんね!)。
また、高齢になることで肉球に色素沈着が起こることもあるのでシミのような模様が出てしまうこともあるようです。
肉球で見る健康状態
猫も病気になると、肉球に変化が見られることがあります。突然固くなったり肉球に変色が生じたりなどすることがあります。
その他に、パサつきがあったり腫れ上がったりしますので、少しでも変な感じがすると思った時には、動物病院へ受診をおすすめします。
うちの猫(当時2歳:オス:MIX)は、一部だけぶよぶよする感じがあり、少しだけ足を引きずるような感じでしたので、診てもらいました。そうしたら、トゲが刺さっていたようで、それが肉球内で炎症を起こすなんてことになっていました。
よく舐めていたり、噛んでいる様子を毎日見ていたのに、まったく気がつきませんでした。ですから、時折触って何か変化はないかをみておいた方がいいと思います。
なお、秋冬などのカサカサ乾燥する季節には、ケアクリームで肉球を保護してあげてください。
まとめ
猫の肉球は、かわいいだけでなく、猫にとって重要な役割を持っている器官であることがおわかりになったと思います。
それに、さまざまな特徴や健康状態の良し悪しもわかる大事なところですので、飼い主さんにはぜひ、積極的に見てあげてほしいと思います。
ただ、猫は嫌がるかもしれませんので、寝ている時などにして、私のように噛まれたりしないようにお気をつけください。