ブルーキャットの御三家の中でも「銀色の毛が本当に美しい!」と感じる猫は、ロシアンブルーだけではないでしょうか。また、独特な微笑み顔を見せる猫としても有名ですね。光沢の貴公子という言葉がぴったりくるロシアンブルーですが、活発な猫です。
このように良い意味でギャップのある猫は、飼ってみると本当に楽しいし、生活が豊かに感じます!今回は、ロシアンブルーについて特徴や性格、購入する場合の値段などをまとめてみました。
ロシアンブルーの特徴
ロシアンブルーはスカンジナビア半島で発見されたという話や、ロシア出身だといくつかの諸説がありますが、ロシアの港町で自然発生したというのが有力の猫です(ロシアンブルーに関する民話があるくらいです)。
短毛種で毛色はブルーのみ、模様パターンもソリッドのみ、目の色もグリーンのみという限定ばかりの猫です。これが大きな特徴となります。毛質は細くて柔らかいですが、厚くてしなやかさです。色が、灰色がかったブルーなところが上品な印象を与えるのではないでしょうか。
体つきも細身でしなやかですが、筋肉質です。足やしっぽも長いので、活発さを大胆に出さなければ、『エレガント』という言葉が似合う猫と言えるでしょう。口角が上がっていますので、ニヒルに微笑んで見える顔つきをしています。とてもシュールですね。笑
これを「ロシアンスマイル」と呼んでいます。実際にその表情を見ると、愛らしくて絶対に飼いたくなってしまいます(やみつきになる表情です!)。
ロシアンブルーの毛色
ロシアンブルーの毛色は、グレーの1色しかありません。名前を見てみるとわかるのですが、ロシアンブルーの「ブルー」は、毛色を意味しています。猫の毛色はグレー色を「ブルー」と表現するためです(瞳の色からきていると間違われやすい部分です)。
ロシアンブルーの場合は、他の猫の「ブルー」と違い、毛先にシルバーが入っていますので、より光沢感があり美しい毛色になっているのです。
一見すると短毛種のように見えますが、実は長めな毛と短い毛が二層になって生えています(ダブルコートです)。ロシアの北部出身(原産)であるため、寒さに耐えられる毛が必要だったようです。原種が環境に適応できるように、被毛が密に生え、長さの違う毛で寒さから体を守っていたところからきています。
ロシアンブルーの毛は、毛の1本1本に色の濃淡があり、「ティッピング」と呼ばれます。猫によって、毛の濃淡が変わってきますので、同じ色でも違った風合いになるのです。
近年では、ブリーダーたちの間で新しい色の子を生みだしているという話を耳にしました。例えば、全身真っ黒な毛色の「ロシアンブラック」と呼ばれる子たちや、全身真っ白な毛色の「ロシアンホワイト」の子たちなどです。本来のブルー色以外の毛色は、正式に品種として公認されていませんので、今はまだ雑種扱いになるのではないかと思います。
ロシアンブルーの性格
ロシアンブルーは大人しくて賢い猫。その反面、何事にも慎重で警戒心が強いので、慣れるまで時間がかかるイメージが強いかもしれません。しかし、いったん慣れると従順ですし、とても活発に遊び、飼い主を慕ってなついてくれます。
少し神経質な面があることは知っておいた方がいい点です。にぎやかな雰囲気や場所、子どもが苦手なところがあります。嫌なことは嫌だという素振りを見せるために、時には「凶暴な性格」だと勘違いされることがあります。
元々1人で過ごすことが苦にならない性格なので、あまり手がかからないのですが、ストレスが溜まってしまうと、強く行動してしまうことがあるのです。普段から凶暴な猫ではありません。
この猫は、大きな声を出して鳴くことがほとんどありません。なのでマンションなどで鳴き声が気になる人には飼いやすいタイプではないかと思います。
ロシアンブルーの飼い方のポイント
ロシアンブルーの良いところは、他の血統猫に比べて、体が丈夫だという点です。特に気をつけなければならないような持病などがないので初心者さんにもおすすめです。
ただ、ストレスを感じやすいと言われていますので、叩いたり留守がちにしたりといったストレス要因を与え過ぎるようなことには注意が必要です。
抜け毛が少ない猫ですが、1日に1回はブラッシングをしてあげましょう。
遊べる環境の整備
ロシアンブルーはとても活発に遊びます。上下運動ができるようなものを室内に用意するといいでしょう(キャットタワーなどがあると、ストレス解消になります)。
ストレス解消の1つとして挙げられるのが、遊びです。おもちゃを思いっきり追いかけたりキャットタワーを駆け上がったりして体を動かすことができるように環境を整えてあげるといいでしょう。
運動能力が高いので体を使っての遊びが大好きです。飼い主さんが一緒に遊んであげることも大切ですが、1人でも遊べるようにキャットタワーやキャットウォールを揃えてあげることをおすすめします。飼い主さんがいなくても留守番時に自由に上下運動ができます。
しつけ方
活発なところがあるので、問題行動を起こすことがあります。
- 物を落とす
- 爪とぎをよそでやる
- 手を噛むなど
ですが、頭がいいためとてもしつけがしやすいです。トイレのしつけも1度教えて成功すれば、次からはトイレでするようになります。
もし、失敗をしたとしても、叩くようなことはしないでください。飼い主を警戒して近づかなくなりますし、失敗した場所でまたするようになってしまいます。
失敗した場合は、しっかりとニオイを取り、うろうろし始めたら、トイレに連れて行ってさせます(できたらほめてあげましょう!)。
大人しい性格ではありますが、プライドが高い傾向にありますので、何度も怒鳴ったり叩いたりしてしつけようとしてもうまくいきません。
排泄したいような素振りを見せたり、爪を研ぐ体勢に入ったりしたときに、その場でそれぞれの場所に連れて行くことが大切です。ロシアンブルーは、賢いので数回のうちに覚えてくれるでしょう。
トイレや爪とぎ問題などで叱らなければならない場面になったら、現行犯で「ダメ!」「コラ!」と短い言葉を発したあと、正しい場所を教えます。その後は、飼い主さんがさっとその場を立ち去るようにしましょう。怒られたことが伝わりやすいですし、後に引きずらせないようにするためです。
ストレスによる問題行動
トイレの失敗や爪とぎの失敗、飼い主さんを噛むなどの問題行動が何度も起こるような場合、しつけが失敗したのではなく、ストレスが溜まって攻撃的になっているせいかもしれません。
- 威嚇
- 飼い主さんを引っ掻く
- 噛みつき(人だけでなく物にも)
などです。最近、環境の変化はありませんでしたか?原因として考えられるものを挙げてみました。
- 引っ越しや模様替えなど
- 来客が続いた
- 家族が増えた(小さい子がいる)
- 運動(遊び)が十分にできない
などはどうでしょうか。
神経質な面があるロシアンブルーにとって、環境が変わってしまったことにストレスを抱いてしまっていることも十分に考えられます。人間もストレスが溜まると、イライラをぶつけたり発散させようとしたりするでしょう。猫も同じなのです。
ストレスが原因で起こっているようであれば、猫が静かに過ごせるスペースを確保してあげたり、来客時は人のいない部屋で過ごさせたりするなどの工夫が必要です。
噛んだり引っ掻いたりというようなことをしてきた場合は、ケガをしてしまいます。この時に体罰を与えてしまうと逆効果になってしまいますので気をつけてください。
噛んだり引っ掻いたりという場合は、気が立っている状態ですので、手をパンと叩いて驚かせたり、霧吹きで水をかける方法が良いと思います。手を叩く(大きな音)や霧吹き(水)は猫の嫌いな物です。こういったアプローチをすると、猫も我に返って、さっと逃げていきます。
冷静にさせて、問題行動をいったんやめさせるのにおすすめです。あまりにも複数回行うようなら環境の見直しや改善を考える必要があります。
ロシアンブルーが気をつけたい病気
ロシアンブルーは、遺伝性の病気はほとんどなく、これまで報告はありません。その代わり、生活の中で注意したい肥満やストレスなどが原因でかかってしまう病気があります。気をつけたい病気は以下の3つです。
糖尿病
インスリンの働きが悪くなり、血糖値を急激に下がってしまうことが起きる病気です。人間でも発症しますから知っている方も多いでしょう。糖尿病を発症してしまうと、免疫力の低下が起こるために他の病気を発症してしまうことがあります。
早食いをする猫は、血糖値が上がりやすくインスリンの放出が鈍くなりやすいようです。発症しやすいのはシニア猫(10歳以上)で、これまでの習慣が関係していると思われます。また、肥満になってしまった子も発症しやすいです。
症状
- 多飲多尿
- エサをたくさん欲しがる(食べる量が増える)
- 食べているのに体重が減る
などがあります。
猫エイズ
猫エイズは、「猫免疫不全ウイルス」が体内に入り、引き起こされる疾患になります。交尾やケンカによって他の猫から移されることで感染します。親猫が感染しているような場合、産まれてくる子も母子感染します。
ロシアンブルーは、純血種ですので完全室内飼いにすることやワクチンの接種を行うことで感染を防ぐことができます。
症状
- 口内炎(口腔内潰瘍など)
- 口臭が異様に臭う
- 下痢
- リンパの腫れ
などです。
尿路結石症
一般的な話、猫は水分をあまり摂らないため、泌尿器科系の病気にかかりやすいと言われています。ロシアンブルーの場合は、「尿結石」に特に注意が必要です。尿路結石症は、腎臓や尿管、膀胱や尿道などの泌尿器科系の部分に結石ができてしまう病気です。排尿時の痛みが特徴です。
症状
- トイレに行く回数が増える(頻尿)
- トイレに行っている割に尿があまり出ない
- 排尿時に痛いような動きや素振りがある
- 尿に血が混じっている(血尿)
などが見られます。
長生きしてもらうために
ロシアンブルーは、他の純血種猫に比べて遺伝性の病気は確認されていません。しかし、神経質な性格や食生活、大きなストレスなどが大きく関わってくることで、肥満が引き起こす病気などを発症しやすくなるのです。
せっかく家族に迎え入れたのですから長生きしてほしいですよね。そのための秘訣は、食事の1日の摂取量の管理、定期検診及び予防接種、新鮮な水分が摂れるようにしておくなどです。そして、ストレスを与え続けない生活環境づくりが大切です。
また、飼い主さんの愛情とコミュニケーションが長生きには欠かすことができません。
かかる可能性のある病気の情報は把握しておきましょう。それから、ちょっとした変化を見逃さないことも早期発見・早期治療になります。
値段&入手先
ロシアンブルーは、人気の猫で手放す人がいないため、譲渡会などではまず見かけません。ですから、ペットショップか、ブリーダーさんのところで購入します。毛色や模様などでの変動がありませんので、安定した値段で購入することができます。
ペットショップ
ペットショップで購入する場合の値段は、20~30万円くらいです。値段の高低は、子猫であることが基準となっているようです(しつけなどがしやすいですからね)。
売られているのは、基本的に生まれて2ヶ月弱の猫がほとんどです。大きくなってしまった場合は、値引きして販売するところもあるようです。変に安いと感じるような時は、理由を聞いてみましょう。弱っていたり、ストレスが溜まっているなんて状態で引き取ったら、最初から大変な状況になります。
ブリーダー
ロシアンブルー専門のブリーダーさんから購入する場合は、15~23万円くらいになります。血統の良い猫の場合は、もう少し高くなるようですが、血統書などが付いていたり、最初のワクチン代が込みだったりすることもあります。
だから、ペットショップで購入するよりは安いと思います。ブリーダーさんから購入する場合も子猫であればあるほど、値段が高くなります。
まとめ
ロシアンブルーは、しつけもしやすいですし、見た目も本当にかわいらしいので、初めて血統猫を飼おうと思っている方に向いていると思います。また、健康状態はいい傾向ですが、ストレスだけは気をつける必要があります。
普段あまり鳴かないのに急に鳴くようになったなどのサインを見逃さないようにしましょう。この猫は、小食なところがあります。成猫になっても、3~5キロとそれほど大きくなるわけではありません。だから、購入する際にその辺のことも聞いて食事の量に気をつけるようにしましょう。