猫は水を嫌うという話を以前しましたが、飼う上で避けては通れないものがあります。それがシャンプーです。「嫌がるならしなくてもいいんじゃないか」と思うかもしれませんが、ニオイや汚れの衛生問題が発生しますのでそうは言っていられません。猫も人間と同じように出来るだけ清潔な環境で育ててあげましょう。
そこで今回は、猫のシャンプーについての全般知識、おすすめシャンプーの種類や上手な洗い方なども一挙まとめてご紹介します。
猫にシャンプーは必要?
猫の見た目はきれいに見えるかもしれませんが、自ら行うグルーミングだけではきれいになるにも限界があり、洗わないと汚れが生じてしまいます。特に長毛種はグルーミングだけでは間に合いません。シャンプーをしてあげないと皮膚病になってしまうことも考えられるのです。
ただ、頻繁に洗い過ぎるのは逆に良くありませんので注意しましょう。頻度に関しては後ほどご説明します。
また、避妊手術を受けていない場合は、スプレー(おしっこをかけてしまう行為)をしますので、そのニオイを取るためにもシャンプーは必要です。汚れが目立つ場合(白猫は特にですね!)もシャンプーをしてあげた方がいいです。
ただし、気をつけたいのが入浴です。人間のようにお風呂(湯船)に入れてあげたいと考える人もいるでしょうが、水が怖い猫にとっては、ひたすら恐怖としか感じないことが多いです。そしてお風呂に入れなければならない理由も特にありません。それなので、お風呂は「入浴」と考えるよりは、「洗浄(シャンプー)」と捉えた方がいいでしょう。
水に慣れて大人しくお風呂に入る猫もいますが、大方は暴れると思っておいてください。
どのくらいの頻度で洗う?
かかりつけの獣医に聞いたところ、室内猫の場合は年に1~2回の頻度で十分ということでした。しかし汚れやニオイがしてくる場合はそれだけでは足りないこともありますよね。
簡易的なシャンプーであれば1~2カ月に1回程度、しっかりと洗う場合は3~4カ月に1回ぐらいがベストではないかと私は思っています。それ以上洗ってしまうと毛の油分が失われてパサパサになってしまったり、皮膚刺激が強すぎて皮膚病を招いてしまいかねません。
私は白猫も飼っているのですが、やんちゃですぐに汚してしまうんです。なので、嫌がるのを横目に毎月のように洗っていましたが、獣医に聞いたところ洗いすぎであることが判明。かわいそうなことをしたと反省しました。
毛並みだけではなく猫のお肌(皮膚)のことも考慮しましょう。
猫のシャンプーに必要なもの一式
猫をシャンプーする際に必要なもの一式はこちらです。
- 猫用シャンプー&リンス(リンスインシャンプーが便利です!)
- ブラシ
- たらい(猫用の洗面器)とシャワー
- 吸水性の良いバスタオル
- ドライヤー
なお、シャンプーは必ずお風呂場で行いましょう。シャワーが使えますし、逃げ回って部屋中が泡だらけになってしまうことがありません。猫を入れる「たらい(洗面器)」を用意しておくと便利です。
猫用シャンプーの種類
猫の皮膚はとてもデリケートなため、刺激の強いシャンプーや人間用のものを使ってしまうと炎症を起こしてしまう可能性が高くなります。人間用のものは刺激が強すぎるため絶対に使わないようにしてください。ペットショップなどで売られている『猫用シャンプー』を使います。
猫用シャンプーにはさまざまな種類がありますので、愛猫に最適なタイプを見つけましょう。
低刺激タイプ
猫用シャンプーと書かれているシャンプーの中に「低刺激」などと書かれているものがあります。これには、「合成界面活性剤不使用」や、「洗浄成分がアミノ酸系・植物由来」と書かれているはずです。
うちに初めてやって来る子(子猫)には、このタイプを使います。子猫なので、刺激が弱い物の方がいいようです。
無香料&微香性タイプ
猫は自分の縄張りを誇示するために、個々でニオイを持っています。自分のニオイがする箇所をテリトリーとしていますので、別なニオイがすることを嫌います。ですから、強い香りがするシャンプーはあまり良くありません。そのニオイを不快に感じてしまうことだってあるのです。
できるだけ無香料がいいです。しかし、微香性タイプも試してみたいと思う場合は、どの程度香るのかを購入前にチェックしましょう。
水がいらないタイプ
これは、暴れてシャンプーができない子などに使えるシャンプーです。ケガや病気をしている場合や、初めて家に連れて来た場合、極端な水嫌いなど濡らせない場合などにおすすめです。ウェットシート状になっていますので、体のしっかり拭いてあげましょう。舐めても大丈夫な洗浄成分を使ってあるのが特徴です。
これを持っておくと、手足が汚れたときにさっと拭くことができます。また、毎日使っても大丈夫なので、日々のケアにもなります。さらに、急な来客があるような時にも役立ちますよ。
薬用シャンプー(医薬部外品)
これは動物病院で処方されるシャンプーで、低刺激になっているので皮膚病を患った猫におすすめです。肌荒れや敏感肌、フケなどの皮膚トラブルや皮膚病を抱えた猫に適しています。
上記で紹介したノーマルシャンプーとは違って薬用になっているため、除菌・殺菌・消毒できます。逆に、皮膚病を患った猫に普通のシャンプーはおすすめしません。これはさらなる悪化を伴うリスクが大きいからです。
薬用シャンプーの中でも特に口コミ評価が高い製品は以下の2つです。
おすすめのシャンプーはどれ?
ここでは、猫用シャンプーとして特におすすめの製品を紹介します。リアルな口コミで特に評価が高いもののみを以下にピックアップします。
ゾイック キャッツシャンプー
ゾイックキャッツシャンプーは、低刺激処方の猫用のアミノ酸系リンスインシャンプーです。また、リンス配合のため、シャンプーだけでふわふわツヤツヤに仕上がります。短毛種・長毛種どちらにもおすすめ!
全体的な口コミの評判も良く、ブリーダーからもおすすめされている良品と言えます。
HappyPeter
ハッピーピーターは犬のシャンプーで非常に人気があります。デザインも可愛いですね。もともとは犬用グッズだけの販売でしたが、あまりにも評判が良く、猫用のシャンプーも作ってほしいという口コミから開発されました。
犬用と同様に天然成分のオーガニックホホバとローヤルゼリー、そしてエミューオイルを配合した、低刺激ノンシリコン処方のシャンプーです。
ミラクルキャットシャンプー
ミラクルキャットシャンプーも低刺激処方で口コミ評価の高いシャンプーです。同シリーズのリンスをあわせて使うのがおすすめ!
シャンプーのやり方と注意点
ブラッシング
まずはブラッシングからです。被毛が長い子の場合はシャンプー前にブラッシングをしておくと洗い心地が良くなり、毛も絡まりにくくなります。シャンプーの際には毛玉になってしまわないように注意しましょう。
また、毛の抜ける時期はしっかりとブラッシングして余分な毛を取り除いてあげましょう。
シャワーの温度
シャワーの温度は37~38度くらいが適温で、40度だと熱すぎるようですので注意しましょう。熱いお湯が出ないように調節してからかけるように注意して下さい。また、頭に水がかかるとパニックを起こしてしまうことがありますので、首から後ろの方向へシャワーをかけて濡らすことから始めます。
シャンプー液
シャンプー液をいきなり体にかけるのではなく、水に溶かしたものを洗面器などに用意します。体全体をよく濡らした後、先ほどの水に溶かしたシャンプー液を体にかけるようにして付けます。
体の洗い方(胴体・足、しっぽ・肛門周り)
首から胴体に向かって洗っていきます。これには理由があり、万が一ノミがいた場合、顔の方に行かせないようにするためです。
シャンプー液をなじませ、マッサージするようにして泡立てていきます。首を押さえて片手でしっかり洗っていきましょう。背中・お腹・足の順に洗っていきます。足は肉球の間も忘れずにしっかり洗いましょう。初めてだと、体をくねらせて嫌がりますが、ここに汚れが溜まりやすいです。
しっぽなどのお尻は、最後に洗います。排泄物がついていたり、臭線というニオイを分泌する腺があったりします。汚れがついているので、そこはきちんと洗ってあげましょう。いきなり触ると怒る子もいますので、優しくかつ丁寧に洗ってあげましょう。
ブラシを使って洗う際は、傷つけたりしないように注意が必要です。胴体や足は手早く洗い、しっぽや肛門辺りは優しくゆっくり洗ってあげるといいでしょう。
すすぎ
シャンプーが終わったらすすぎをします。この場合も首から下へと向かってお湯をかけるようにします。しっかりすすぎをしないと、地肌に泡が残ってしまい皮膚に炎症を起こしてしまう原因になります。逆毛にするなどしてすすぎ残しがないかを十分に確認します。
この時のシャワーの温度も37~38度くらい、この温度だと人が感じるのは「ぬるい」か「少し温度が低いか」だと思います。それ以上だと、汗をかくことのできない猫は、熱中症になってしまう恐れがあります。
タオルドライ&ドライヤー
お風呂から上がったら、水気を手で払い落とし、それから大きめのバスタオルでくるむようにして拭いてあげます。吸水性のいいタオルが望ましいですが、タオルドライだけだと乾きが不十分ですので、ドライヤーを使いましょう。
人間用ドライヤーは温度に気を付けて下さい。一か所に当ててしまうと、熱くてヤケドをしてしまう恐れがあるため、ドライヤーの吹き出し口は皮膚からしっかりと離し、風をこまめに外しながら乾かします。
また、顔全体にあたらないようにも注意します。猫は大きな音のするものが苦手です。ドライヤーから発する音を嫌がり暴れることがあるため、顔(特に耳)にあてないようにします。
乾かす時は、ペット用のドライヤーをおすすめします。ペットに最適な温度や風の強さ、そして静音仕様になっていますし、フリーハンドドライヤーなら両手を自由にできるので乾かしやすいです。
また、愛猫に数分間入っていてもらうだけで全身を乾かせるペットドライルーム(キャリーバッグタイプ)はあると便利なアイテムです。多頭飼いの方に特におすすめ!
最後にもブラッシングやコーミングを
全体的にしっかりと乾いたら、そのままでもいいですが、ブラッシングやコーミングをするのもいいでしょう。
猫も人間と同じように時間が経つと湯冷めしてしまいますので、風邪を引かせないようにするために素早く乾かすことを常としてください。毛が長い子は半乾きにも注意しましょう。
猫のシャンプーまとめ
猫をシャンプーするための下準備から乾かすまではとても大変な作業です。子猫の場合は小さいので洗うのにさほど時間はかかりませんが、成猫は暴れたり、嫌がったりするため時間の余裕があるときが好ましいと思います。
1度洗ってあげると本当に毛並みも良くなりますし、猫もさっぱりすると思います。最初はゆっくりでもいいですから、手順通りやってみてくださいね。