猫を初めて飼うと「トイレってどうしたらいいの?」と迷うことも多いかと思います。また、猫のトイレは日常的なお手入れが必要になるので、飼い始めた後はトイレの後始末が億劫となってしまいがちです。
最近では様々なメーカーからトイレの処理や臭い対策を簡単にできる便利なトイレグッズが発売されていますので、これはとてもありがたいことですね。猫のトイレ本体はずっと使えるものですし、最初から便利なグッズをひと通り揃えておけば日々のトイレ処理がとっても楽になります。
そして早い段階から猫にしつけをして慣れてもらうこともできるメリットがあります。特にトイレ本体は造りがしっかりした物を丁寧に扱えば一生使えますし、猫にとっても同じものを使い続けられた方がいいと思います。途中でトイレを変えるとストレスになることもありますからね。
初めて猫用のトイレを買いに行った場合、あまりの種類の多さに驚くことと思います。そんなたくさんある中でも、猫用の「システムトイレ」は一番の人気を誇っています。
でも、一番に思うことは、「猫用のシステムトイレって何?」ではないでしょうか。最近では単に「猫のトイレ」と言えばシステムトイレを指していることもあるほどメジャーなタイプとなっています。
私自身も新しいトイレを買いに行った時に「は?」と思ったくらいですから、初心者の方はもっと不思議に思われることでしょう。そうならないために、今回は猫のトイレについて、おすすめの種類やシステムトイレ、それに必要なトイレグッズなども併せてご紹介します。
人気のトイレもいくつか厳選してピックアップしましたので、これから購入を予定している人は参考にしてみて下さい。
猫用トイレで人気のシステムトイレってどういう物?
システムトイレという言葉で思い描くのは、人間が使うようなトイレで、何でも自動のようなイメージが強いのではないでしょうか。実際私はそうでした。
『猫用のシステムトイレ』とは、トイレ容器の構造が従来の物とは異なっているタイプで、トイレの掃除が1週間に1回程度で済む猫用トイレのことを言います。お手入れの手軽さもそうですが、主ににおい対策として利用している飼い主さんが多いです。
システムトイレのしくみ
ではその仕組みをみてみましょう。まずつくりですが、上下二層式の構造になっています。上のトレイの底の部分が『すのこ』になっていて、その上にチップや猫砂を敷き詰めます。そこで猫がおしっこをすると、すのこの下に落ちるようになっています。
下のトレイが、上から落ちて来たおしっこの受け皿になっていています。トレイ内には吸収マットやシートを入れておくようになっていて、それがおしっこを吸収してくれます。
マットやシートは1匹の数日分のおしっこを吸収できるので、トイレ掃除の回数が少なくなるというわけです。セットするものにもよりますが、成猫1匹の場合、交換は週に一回が目安となります。うんちに関してはその都度取り除かなければいけませんが、おしっこに関しては毎日のケアをしなくても大丈夫になるのです。
消臭・防臭機能がある
中に入れてあるマットなどには消臭・防臭の役割があります。猫のおしっこのにおいは強烈ですよね。それを一週間分溜めても大丈夫なのかと心配になるかもしれません。ですが実際のところ、これのおかげで従来のタイプよりもにおいが気にならないという人がほとんどです。
このように、手入れの簡単さやにおいの面から選ばれているのが「猫用のシステムトイレ」なのです。大体どういった物かがお分かりいただけましたでしょうか。見た目や種類などは、後ほど紹介するシステムトイレの製品を見れば分かりやすいと思います。
ちなみにシステムトイレという名称ですが、全自動トイレではありません。だから電力を必要とするものではありません。一方、本当に電力を使って掃除まで行ってくれる全自動トイレも存在しています(私がはじめイメージしたもの)。後ほどの製品紹介の中で、併せて簡単に紹介させていただきますので、是非チェックしてくださいね。
システムトイレのメリット&デメリット
仕組みがわかったところで、猫用システムトイレのメリットとデメリットをみてみましょう。購入を決める際にかなり役に立つはずです!
メリット
- おしっこの処理がだいたい週1回で済む
- マットやシートに消臭の役割があるので、においが気にならない
- システムトイレの下にセットするマットやシートの交換が非常に楽
- トイレが組み立て式ではあるが、比較的簡単にできる
- チップや猫砂の粒が大きく、従来型よりもあまり飛び散らない
このように今までの猫用トイレの常識『トイレ掃除は毎日必要』が変わってくるので、忙しい飼い主さんでも比較的楽です。上と重複する部分もありますが補足説明をさせて頂きます。
トイレ本体の掃除や猫砂の総入れ替えのようなメンテナンスは定期的に必要ですが、「毎日毎日、おしっこを含んだ猫砂を取り除かなきゃいけない」という手間からは解放されます。それでもうんちを取り除く必要はありますが、回数は一日あたり1~2回ですし、おしっこで固まった猫砂も一緒に取り除く場合と比較したら全然違います。
そして吸収マットなどは、基本的に消臭・抗菌のものとなっています。ですのでにおいに関しては本当に気にならなくなります。一週間分溜まっていたとしても、さすがに完全無臭というわけにはいきませんが、きつい悪臭を放つことはありません。それに少しのにおいでも気になる場合は交換サイクルを早めればいいんです。
そのマットの交換も、トレイを引き出してつまみ出してゴミ袋にポイっと捨てるだけ。そのあとはトレイを簡単にきれいにして新しいマットを入れて戻すだけ。慣れていなくても10分もかからないで交換できます。
それを週に一回するだけで済むわけですから、どれだけ手間がかからないかお分かりいただけると思います。平日仕事で疲れて帰宅した時に、「トイレがくさいからきれいにしなきゃ」ということにはならなくて済みます。休みの日に10分ほどの時間でサッと交換するだけでいいんです。
また使用するチップの粒が大きい傾向です。そのことで、猫が砂をかいても飛び散りにくく、また飛び散ったとしても片付けもしやすくなっています。部屋の汚れを防ぐこともできますね。
デメリット
一方どのような物にもデメリットはあります。そこは無視して通ることができません。自分のライフスタイルに合うかどうかを考え、妥協できるかどうかという判断基準になる部分です。
- 猫砂の他にマットやシートを必要とするので、他のトイレよりも費用がかかる
- 猫砂やマットなどが専用のものしか対応していないタイプがある
- 常に在庫を用意しておく必要がある
- トイレの下部のトレーにおしっこが溜まってもれてしまうことがある
- おしっこでの健康チェックがしにくい
最近はいろいろなタイプが増えてきましたが、それでも専用のマットやチップでないとだめ、ということがあります。もしそういうタイプを購入した場合は、「シートを交換しようとしたらストックがなかった!」という時に、近くのドラッグストアなどで専用のものが売っていないかもしれません。そんなことにならないように常に在庫を持っておかないといけません。
またトレイにも容量の限界がありますので、おしっこの量が多いとそこから漏れてしまうこともありえます。多頭飼いで共通のトイレを使っている場合は注意が必要ですね。
それに、おしっこを直接確認しにくいです。確認するのは基本的にシートの交換の時になります。毎日ちゃんとおしっこをしているか、膀胱炎などになっていないかというチェックが難しくなり、早期発見がしにくい傾向です。
そして一番大きなデメリットは費用がかかってしまうことかもしれません。ではいったいどのくらいかかるのか見ていきましょう。
システムトイレに必要なグッズと費用
猫用システムトイレに必要なものと、それぞれどのくらいの費用がかかるのか考えてみましょう。ホームセンターやペットショップでも販売されていますが、ネット通販を使えばかなり安く購入が可能です。しかも宅配してくれるのでまとめ買いが便利です。
トイレ用品は消耗品だしどうせ使うものなので、私はまとめて数カ月分のケース買いをして単価を安く抑えています。ではシステムトイレに必要なものを本体から順に見て行きましょう。
システムトイレ本体
トイレ本体の価格は、ハーフカバー(フードなしタイプ)で安い物だと2000円くらいから購入できます。
ドームタイプ(フード付き)であれば3000円程度から出ています。
システムトイレ専用のマットやシート
システムトイレには、トイレ下部にあるトレイに入れる専用のマットやシートが必要です。消耗品ですし、これがないとシステムトイレの意味をほとんどなさないので、ちゃんとストックを持っておかないといけません。
- 木材で作られたマット:600円程度(6枚入り)
- 紙で作られたシート:1200円程度(100枚入り)
様々な種類がありますが、基本的にどれも使いやすいので人気のあるタイプを選んでおけば間違いありません。
猫砂(トイレ砂)
猫砂はペレットと呼ばれる大きな粒の物から、砂かきができるくらいの小さい粒まで選ぶことができます。
- 脱臭・抗菌の大きめな粒のチップ:1000円程度(4L入り)
- 脱臭・抗菌の小さめな粒のチップ:700円程度(2.5L入り)
- 脱臭・抗菌の極小粒のチップ:700円程度(2.5L入り)
ですがシステムトイレのメーカーによっては使える猫砂の種類(チップの大きさ)が限定されることもありますので、それぞれの製品情報ページでしっかり確認しておきましょう。傾向としては粒を大きいものを使う傾向です。
また、猫砂を買いに行くのもかなり重労働になるので、通販でまとめて購入するのが便利です。
購入する際に費用を試算しておくと、年間で大体どのくらいかかるのかを割り出せます。これを元に買えば、予算オーバーで途中からトイレを通常のものに戻すなんて事にならずに済みますので一度ザックリと試算してみて下さい。
ちなみに、うちでは現在3匹の猫を飼っています。そのためトイレは3つ用意しています。システムトイレの方が便利だし変えようと思ったのですが、3匹分だと思っていた以上に費用がかかるため、私は切り替えは諦めました。
猫友の家ではシステムトイレを使っているそうで、「掃除がとても楽で、においの問題が解消されてよかった!」と言っていました(猫友談:3歳:オスのアメリカンショートヘアを飼っています)。
これから猫のトイレを用意する人は、システムトイレがおすすめです。また、猫砂に関しては以下の記事も参考にしてみて下さい。
猫用トイレの種類別おすすめ製品
amazonで特に評価の高い猫用トイレをピックアップしました。ここで紹介しているものはシステムトイレに限りません。必ずしもシステムトイレが良いかと言うと賛否ありますので、やはり購入者の口コミを参考にして扱いやすいものを選ぶのがベストだと思います。
様々な種類のトイレが発売されていますので、システムトイレかどうかの区別もつきにくくなっていますが、ご自分の飼育環境に合わせた用途で最適な物を選ぶといいでしょう。価格も安い物から高い物と様々ですが、口コミによる評価はどれも高くなっているのでおすすめと言えます。
ハーフカバータイプ
上部のカバーがなくて空いているタイプです。初心者でも掃除やお手入れがしやすいというメリットがあります。開けているので体格が大きい猫でもスペースに余裕があります。
ドームタイプと違って天井がないので、おしっこのにおいはマットで吸収できても、うんちのにおいが部屋の中に広がりやすい傾向です。また全体を覆われていないので、猫砂をかいて外に出される可能性も若干高いです。
その反面トイレ内ににおいがこもりません。においがこもるのが苦手な猫には、このハーフカバータイプがおすすめ。猫砂もカバーの高さが低くなければそこまで飛び散ることはないでしょう。
ドームタイプ
上部までカバーで覆われたタイプになります。中には扉が付いているものまであるんです。特徴はハーフカバータイプと逆になると思ってください。においが外に出にくくなる分中にこもりやすいですし、入り口の大きさ次第では体格がいい猫には合わないかもしれません。うんちを取り除くときも天井がある分若干取りにくいです。
ただ全体が覆われている分、外観はいいです。おしゃれなものも多く出ています。トイレをどうしても人目につく場所に置かないといけないという時は、このタイプがおすすめ。天井がないタイプだったら来客の視界に猫のうんちが入ってしまうこともありますからね。
上から入るタイプのトイレ
通常の猫トイレは横から入りますが、上から入るタイプのトイレもあります。全体的にみると最近はこの手のタイプに人気がありますね。見た目がいいものもが多いです。
メリットとしては深さがあって臭いが出にくいこと、そして猫砂の飛び散りを防止できます。上フタに溝があり、その部分で猫の足についた猫砂も落とせるタイプもあります。
難点があるとしたら、子猫や老猫、それに大型猫だと出入りが難しい可能性があることです。
全自動型トイレ
システムトイレは普通のトイレと比べれば幾分か手間が省けますが、掃除まではできません。でも、なんと猫用全自動型トイレというものまであります。これはトイレ掃除を全自動で行ってくれるものとなります。
猫が用を足した後、しばらくしてから自動で掃除が始まります。綺麗な猫砂はそのままに、排泄物はコンテナに振り分けられるという仕組み。これなら臭いが出る前に処理できますね。
多頭飼いだったり、一人暮らしで自宅を留守にしがちの方は猫のトイレ処理に手を焼きますが、この全自動だとほとんどの手間を省け、愛用している人からすると手放せないほど便利なんだとか。
特に多頭飼いしている方に人気がありますね。機種にもよりますが1台で複数の猫の共用トイレとして利用できます。昔の全自動トイレは音が大きかったり、気が付けば停止していたりなどの誤動作も多かったみたいですが、最新タイプは欠点も改善されてかなり便利に使えるそうです。
デメリットとしては、全自動だけに価格が高いのとサイズが大きいこと。スペースに余裕がない部屋に置くのはちょっと厳しいかもしれませんね。でも、思っていた以上に軽いという声もあります。
猫のトイレ処理をできるだけ簡単にしたい人におすすめ!以下、口コミ評価の高いものをご紹介します。猫の全自動型トイレの多くがドーム型ですが、ハーフカバータイプもあります。カバーがないタイプはお手入れがしやすいですね。
詳しくは次の記事を参考にしてみて下さい。
猫トイレ用カバー本体
こちらは猫トイレ用のカバー本体です。トイレカバーがないものを使っていて、「やっぱりカバーがあった方がいいな」と感じた場合、これらを用意してトイレの周りに設置しましょう。
単体で使ってハーフカバータイプのトイレにしてもいいですし、この上から次に紹介するような専用消臭ファブリックカバーを被せればドームタイプとして使えるものもあります。
その他にも、カバーを付けなくてもはじめからドームタイプのように使えるものも出ています。そのタイプは、大抵は猫のトイレと分かりにくいお洒落なインテリアのような見た目になっていて、大きさもかなりあります。カバーというよりはトイレを見えないように隠しておく家具のような存在です。
扱いやすさを考えると、個人的には猫トイレはドームタイプよりもハーフカバータイプがおすすめです。実際、ドームタイプを買ったのにドームの部分を取り外してハーフカバーの状態で使っている人も多いんだとか。
猫トイレ用カバー専用消臭ファブリックカバー
まとめ
猫のトイレは、におい対策と掃除の大変さが大きな課題となっています。私もそれを感じている1人です。自宅で1匹飼う場合は、ひと月にトイレの消耗品がどの程度かかるかを試算しても、そんなに大きな額にはならないでしょう。でも私のように多頭飼いする場合は、費用は月額×匹数となります。そうなると、どうしても大きな金額になってしまうことも予想されます。
猫用システムトイレはメリットも大きく、大変に良いものです!これは断言できます。ただ、費用の面も購入前に一緒に考えてから、どうするのかを決めた方が良いと思います。初期費用として余裕があるならば、先にもお伝えしたように、最初からしっかりとしたトイレ本体とそれに付随した消耗品をひと通り用意することをおすすめします。
ちゃんとしたものならずっと使えるし、それがシステムトイレなら日々のトイレ処理が楽になります。後から変更だと、途中から猫にトイレが変わるということを教えないといけなくなりますし、トイレが変わることでストレスを感じてしまう猫もいるからです。飼い猫の精神的な安定を考えてあげることも大切です。
猫の臭いにお悩みの方は以下の記事も参考にしてみて下さい。トイレなども含めて消臭グッズを紹介しています。