飼い猫でも突然「シャー!」といって飼い主を威嚇することがしばしばあります。「どうした?」と思うくらい驚くことがあります。突然威嚇するにはそれなりの理由があるのです。だから威嚇したことを怒らないであげてください。
ここで、猫が威嚇する理由、遊んでいる時に急に怒ったかのように猫パンチを繰り出してくる理由とその時の心理状態について紹介します。
怒って威嚇する理由とは?
猫の性格上、自由を大事にしていることはおわかりになると思います。威嚇の態度を示す時は、性格だけでなく、他にも原因として考えられます。
縄張り不安
猫は縄張りの中で生活することで、安心感や実質的な安定を得られています。そのため、飼い主が帰宅した時に持ち帰る、テリトリーとは違うニオイを嫌い、頭や頬をこすりつけて自分のニオイをつけるのです。
ところが、それでは間に合わないような強いニオイがしたり、よその猫や動物のニオイを察知した時、急に縄張りが荒らされてしまうような不安に陥ることがあります。その時に飼い主に向かって「シャー!」と威嚇を示してしまうのです。
うちの子も動物病院を受診した後は、気が立ってしまいます。隅っこの方に行ってしまい私が抱こうとすると「シャー!」とするなんてこともあります。不安な気持ちの時に近づいて欲しくなかったのでしょう。
体調不良
具合が悪かったり、ケガをしていたりする際にも威嚇してくることがあります。やはり体調が良くない時に構われたりすることが嫌なのだと思います。
人間だってそうですよね、体調が悪い時に構われるとイラッとするはずです。猫も同じなのです。そこへもって、動物病院なんかへ連れて行かれた日には、余計にイライラと不安があるので、様子を見ておくことも大切です。
環境の変化
もらってきた猫に多いのですが、初めてのお家では今までとニオイも違いますし、習慣などさまざまなものが違います。こうなると気が立って人の動きにすごく敏感になります。
以前、実家にいた子(黒猫:推定13歳:オス)は、米軍基地内で飼われていた子でした。迷い猫で保護され、猫に慣れているうちが引き取ることになったのですが、日本語が通じない上に、環境も全く違うという不安からダイニングテーブルの隅っこでじっとしていました。
手を出すと、容赦ない「シャー!」という威嚇があって、うちではダメかなと思っていました。でも、数日で他の子とも慣れ、テーブルの隅っこから出てくることができるようになりました。
怒られたとき
悪さをしたり、問題行動をしたりして飼い主が怒った時にも威嚇をすることがあります。純粋に怖いからです。叩いたり、怒鳴ったりすると気の弱い子の場合は、威嚇してきます。大きな声でびっくりさせることは有効ですが叩く行為は必要ありません。
これら以外で威嚇を示す場合は、嫌なことをされた時です。顔の前で手を広げることや追いかけられるのが嫌な子もいて、それだけで「シャー!」と言います。猫にとって嫌だと思うことはしないようにしましょう。
猫パンチも威嚇の一種?
可愛がっているのに、いきなり猫パンチ炸裂!なんてことがあると思います。飼い主にとっては「なぜ?」と疑問に感じてしまうことでしょう。いきなり猫パンチをしてくるには、攻撃以外にそれなりの理由があるのです。その辺りを理解してあげるだけでも、感じ方がかなり違ってきますよ!
猫パンチは、端から見ていると攻撃をする時に出すと思っているかと思います。もちろんその場合が多いですが、それ以外の時もくり出します。
- 攻撃(野良猫なんかがやっているのを見かけますよね)
- 拒絶(こっちに来るな!やめろ!というときです)
- 興味(遊びたい気持ちや「これなんだ?」なんていう興味津々のときにやります)
攻撃と拒絶の時は爪を出していますので、ケガをしてしまいます。本気の猫パンチですね。興味があるときは爪が出ていません。それにパンチをくり出すスピードがゆっくりめです。このように違いがありますので、観察してみてください。
撫でている最中の猫パンチ
撫でている最中に急に猫パンチを出されて驚くことがあります。それまで何ともなかったのに、突然やられたというパターンが多いです。この場合は、撫でられ方に不満があったり、触るのNG的なところを触ったりするとくり出されます。また、しつこいと感じた場合も同様です。噛もうとすることもありますので要注意です。
触ると嫌がる部位
猫には触られるのが嫌という場所があるのを知っていますか?
- しっぽ
- 肉球
- お腹
- 足
この4ヶ所は、よほど信頼関係がないと、嫌がります。触った途端に噛みつかれることもあります。肉球は、触ると痛いと感じるときもあるようです。
撫でる時間が長い
かわいいとつい、いつまでも撫でていたくなりますよね。撫でる時間が長いと「しつこいなぁ!」と感じるようで、怒り出してしまうこともあります。
その気持ちの表れとも言うべきしっぽの動きが、『素早くパタパタと動かす』です。このような動きをし出したら、機嫌が悪くなってきた証しです。注意しましょう。
ケガや病気の時
撫でていて、急に頭をあげて猫パンチをしてくるときの原因として、ケガや病気になっていて痛がっているという可能性があります。
うちの子も横腹の辺りを撫で始めた途端に、猫パンチを飛ばしてきたことがあります。しかも、その後噛もうとしたので、様子がおかしいと思い、毛をよけて見てみました。そこには約7センチほどの傷があり、どうも飼い猫同士でケンカして痛めたようです。それで、「痛い!触らないで」と言いたいんだって気がつきました。
突然に、猫パンチをくり出した後に、起き上がろうしたら、ケガや病気である可能性があります。よく見てあげましょう。
じゃれる
特に子猫から成猫になり立てくらいの頃までの子に多く見られます。好奇心が旺盛なので、撫でてもらっている体勢からのじゃれ合いに発展させて遊ぼうとします。飼い主の手だろうと何だろうとお構いなしです!
猫パンチから始まり、噛みつきまであっという間にやられてしまいますので、気をつけてください。子猫の歯はするどいのでけっこう痛いです。血が出ることもあります。でも、痛い思いをさせようと思ってやっているわけではありませんので、怒らないであげてくださいね!
威嚇としての猫パンチ
恐怖や威嚇などの意味で「猫パンチ」をするとき、2段階に分けてくり出しているのをご存じでしょうか。最初は、警告を意味しています。その後に本気のパンチが出されるのです。
警告の猫パンチ
威嚇をしながら、「これ以上近づいたら、やるぞ!」と言わんばかりに、引き気味でくり出します。体勢が引き気味なので、見たらわかると思います。その時に離してあげるようにすれば大きなケンカになることはないでしょう。
猫だってできればケンカを避けたいはずです。この時はすでに爪を出していることもありますので、飼い主が手を出すときは注意しましょう。
本気の猫パンチ
警告が通じず、相手もケンカモードに入っている場合、威嚇する声も出しながら本気のパンチが飛んできます。もう最終手段です。
爪を出していますから、相手もケガをしてしまいます。目などを狙ってきますから、流血沙汰になってしまいますので注意しましょう。しかも、「これでもか!」っていう感じで何度も叩きます。
威嚇されたらそっとしておこう
猫が「シャー!」と威嚇を示したら、対象物や飼い主の目を見つめてきます。これは狩猟本能のうちで、相手から目を離すことは死を意味します。だから、いつでも相手の動きを見られるようにするためなんです。
気が立っているので、威嚇してもダメな時は猫パンチや引っかくという次の手を出してきます。こうなれば飼い主がケガをしてしまいます。
威嚇をされたら、目を合わせないでそっとしておくのが一番です。それ以上構ってはいけません。できるだけ離れて落ち着くまで待ちましょう。特に気が弱い子は、下手に構われることを嫌い、にらみをきかせてきます。
何らかの原因で気が立っている時に手を出すのは危険です。引っかかれたり噛まれたりといった威嚇の次の行動に移ってしまうからです。
威嚇後は、自分が安心できるところ(狭い場所など)に逃げて行きますので、追わないようにしましょう。
うちの子(2歳:MIX:オス)は、突然威嚇が始まります。そして、すぐさま段ボール箱の中に逃げ込みます。最初のうちは追いかけていましたが、追いかけられるとさらに恐怖を感じるようです。案の定、手を引っかかれてしまいました。それ以降は追わないようにしています。
まとめ
猫はちょっとしたことですぐ怒って威嚇するようなイメージがあるかもしれませんが、猫は気が立ったり、いつもと違うことに敏感に察知し、内向的な状態になってしまいます。
威嚇の理由はいくつかありますが、対処法を知っておけば、私のように引っかかれてしまうことはないでしょう。
飼い主に対しての猫パンチは、そんなに大げさなものではなく、じゃれることの延長であったり、「痛いからやめて」くらいのものだと思います。それでも、飼い主にとってみれば驚きますし、ショックが起こると思います。
でも、今回紹介した通りの理由がありますし、心理状態があるわけですから、飼い猫の状態をみて怒らないで対処してあげてほしいと思います。
実家の父が猫パンチを食らったとき、かなり怒って追いかけ回していました。これではさらに怖がらせてしまいますし、せっかく築いた信頼関係が壊れてしまいます。
何らかの原因で愛猫が機嫌を損ねてしまったら、このアイテムを使ってなだめてあげましょう(・ω・)笑
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