猫の顔を見ると、左右に口元から頬にかけて、目立って伸びているヒゲがあります。これはとても大事な役割をしているので、絶対に切ってはいけません。
ヒゲがないと歩けなくなってしまうくらい大切なものなのです。この記事を読んでもらえば「ヒゲを切ってはいけない」と言われていた理由がはっきりします!
猫のヒゲの特徴
猫のヒゲがどこにあるか知っていますか?口周りにあるものだけではないのですよ。
- 口の左右
- 両目の上
- 両側の頬
- あご
の以上4ヶ所にあります。
本数としては、左右に12本ありますので、両方合わせて50~60本程度あると言われています。
また、前足の後ろ側にも生えています。そして、これらのヒゲも顔にあるヒゲ同様に敏感です。特徴としては、水平に4段に並んでいて、上下に2段ずつ分かれています。それを別々に動かせるようになっています。
そして、口の両側にある一番目立って生えているヒゲは体の幅よりも長くなっているのです。
これらのヒゲは、平衡感覚や距離を測るなどの多くの役目を持っています。センサーの役割をしているといえばわかりやすいのではないでしょうか。日々の生活の中でなくてはならないものなのです。
ヒゲの役割
ヒゲは動き回るのに役に立つセンサーのような役割をしています。
道幅の計測
自分の体が通り抜けられるかどうかを知るためにヒゲで道幅を測っているのです。
当たり具合で自分が通れるかどうかを判断する材料となるわけです。ヒゲが体よりも長いのはこういった理由があるのです。
暗がりでの歩行
空気の流れを感じ取ることができますので、暗がりでも歩けます。夜行性の猫にとって、暗いところを歩くのは必要不可欠なことですよね。それができるのも、ヒゲがあるおかげなのです。
平衡感覚を保つ
猫はヒゲがあるおかげで平衡感覚を保つと言っても過言ではありません。
私の弟(当時4歳)がイタズラをして、両ヒゲを切ってしまったことがありました。その時は、高いところにうまく登ることができませんでしたし、ソファーの背もたれを歩いていて突然落ちたこともありました。
やはり、平衡感覚を保つことができなかったのではないかと思います。
さまざまな物との距離を計測
猫のヒゲには神経が集中しているそうです。そのため、獲物との距離を測ることができると言われています。刺激をいち早く感じ取り、獲物やエサだけでなく、目の周りに何かが飛んでくるなど全ての物の距離を測れます。
目を守っている
口の周りの長い物だけがヒゲと考えてしまいがちですが、それだけではありません。最初にお話ししましたが目の上にも生えています。
人のまつげと同じような感じと言いましょうか。何か入りそうになると、感じ取って目を閉じることができますよね。猫の場合は、その感覚がもっと鋭いと思ってください。
感情表現の判断基準になる
ヒゲの状態をみると、その猫の感情を見ることができると言われています。
- 頬にぺたんとひいた状態→怯え・恐怖
- 前に向いてピンと張ってる→攻撃態勢・興味
- 下に下がって力んでいない→リラックス・不調時にも見られる
- 上に上がっている→満足・機嫌がいい
周囲の様子を見ながらヒゲを動かし、神経を巡らしています。
ヒゲが抜けてしまうこともある
何らかの原因によって、大事なセンサーが抜けてしまうことがあります。大きな原因は3つです。
- ダニ
- ストレス
- 生え替わり
ダニが毛につくことで抜けてしまうことがあります。この場合、他の疾患などが重なり、免疫力の低下も起こしますので、ダニがいると分かった時点で、病院で受診などすぐに対処が必要です。
ストレスが重なっても抜けることがあります。ストレスはさまざまな悪いことを引き起こします。免疫力の低下もその一つです。
明らかに他の毛と違う太さの毛が落ちていたら、ストレスがあるかもと考えてなくてはいけないでしょう。
生え替わりの時期(ヒゲは半年に1度)には抜けます。上記の2つの原因以外に落ちていたら生え替わりの時期ということです。
ただし、10本以上落ちている場合は、別の原因があると考えてください。生え替わりの時期は数本程度です。また、若い猫は抜けやすいようです。
実家の子も病気をしたときは、ヒゲがかなり抜けて隅の方で大人しくしていました。やはりヒゲは大切なんですね。
まとめ
昔から「猫のヒゲは切ってはいけない」と言われてきました。これは、猫の性質上のことだとおわかりになったと思います。
猫が安全で安心できる日常生活を送るためには、センサーの役割をしているこのヒゲがとても大切になります。口の周りや目の周りなど、身を守るためだけでなく、狩猟をしていた昔から大事にしている本能的な部分にも関係しているのです。
さらには、感情を見ることもできますので、鳴き声や行動同様にヒゲの動きにも注意してみてあげるといいですね。